東京6大学リーグの名門・立大野球部で、上級生が下級生の歯を欠けさせたり、10代の部員に喫煙させたりするなどの問題行為があったことが29日、分かった。30日には会見を開き、現状を説明する予定だが、当事者は4年生の一部とみられ、今週の明大戦は同学年の部員の出場を見合わせる可能性が高く、来週以降も調査結果を受けて判断することになりそうだ。

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東京6大学リーグで優勝13度、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督を始め、プロ野球選手も多く輩出している立大に、問題行為があった。同大広報課によると当事者にはすでに聞き取りを行い、今後は第三者を含めた調査チームを立ち上げて事実関係などを検証するという。

現在は秋季リーグ戦期間中だが、野球部は当面活動を継続する予定。当該部員や野球部への学内の処分は調査結果を待って決めるというが、4年生の一部が関わっているとみられ、同学年の部員は30日からの第4週の出場を見合わせる可能性が高く、来週以降は調査結果を受けてあらためて判断することになりそうだ。

大学の聞き取りによると、今年6月に上級生があおむけに寝かせた下級生の額を狙い、地面に立てたバットを倒す行為を繰り返した。その際にバットのグリップが口に当たり、前歯1本が半分ほど欠けたという。広報担当者は「このような事態になってしまい、けがをした学生や野球部以外の学生たちにも大変申し訳ない」と話した。

今季はここまで0勝4敗。仮に今秋リーグ戦を最後まで4年生が欠場することになれば、ドラフト候補としてプロ志望届も提出しているエース池田陽佑投手(4年=智弁和歌山)は、最後のシーズンでアピールの場がなくなることになる。

溝口智成監督(55)は、今秋限りで契約満了で退任が決まっている。来年からは、立大OBで、日本製紙石巻元監督で本年度からコーチを務める木村泰雄氏(62)が就任する見込み。溝口体制で臨む最後のシーズンに、残念な結果となった。