ロッテのアナウンス担当33年。通算2100試合。今季での引退を決意した谷保(たにほ)恵美さん(57)が、レギュラーシーズンのマイクを置いた。最後の締めでは「今まで………ありがとうございました」と感極まった。

試合後はサプライズセレモニー。吉井監督、益田、中村奨から花束が贈呈された。ライトスタンドのファンからは「谷保コール」の大声援。「超満員の観客の皆さんからコールしていただけて、こんなことは2度と、来世でもないと思うので、本当に大事に心の中にしまいたいと思います」と感謝。「谷保って名前が珍しくてあまり呼んでもらえないので、『ヤッホー』とかはあるんですけれど。少ないと思うんですけれど全国の谷保さんが喜んでいると思います」と試合で使用した記念球を手に笑った。

黒木投手コーチも特別な思いで見つめた。親しみを込め「僕は『やほさん』って呼んでいるんです」。「(浦和での)寮生活の1年目から、やほさんと一緒に武蔵野線で球場に行ったり帰ったりしていた。単なるアナウンスとプロ野球選手の関係性じゃないくらいに僕は思っていますよ。あの声は誰しも記憶に残り、色あせることはない」。

ポストシーズンで谷保さんのアナウンスが続く可能性は残っている。益田からは花と一緒に「また帰ってきます」と言葉も伝えられた。「9日の試合はテレビで見ます。放送室も片付けていない」。2度経験した日本一は敵地で決定。まだ言えていない「千葉ロッテマリーンズ日本一です」のために、美声を整える。【鎌田直秀】

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