ソフトバンクが2年連続14度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。延長12回4時間50分の激闘で楽天と5-5で引き分け、残り1試合を残して3位以内が確定した。1点を追う3回に柳田悠岐外野手(34)が逆転22号2ラン。その後3点差を追いつかれたが、救援陣が踏ん張り、今季3度目のドローに持ち込んだ。9日のレギュラーシーズン最終143試合目、敵地オリックス戦で2位フィニッシュを決める。

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ソフトバンクが執念ドローでCS進出を決めた。6回に最大3点差を追いつかれたが、救援7投手が0封リレー。残り1試合を残し、いかなる結果でも楽天より勝率で下回ることがなくなった。2位確定は最終戦に持ち越しとなったが、ひとまず第一目標のポストシーズンを戦うことが決定。藤本監督は「まずはCSは決まったということで良かったです」。今季最長4時間50分の激闘で耐えた。

主砲の1発が効いた。3回に主砲柳田が豪快な22号2ラン。0-2から川瀬の適時三塁打で1点を返した直後だった。楽天岸の初球、内角高めの143キロ直球を右翼席中段まで運んだ。「いいスイングでしっかりとらえることができた。逆転のホームランとなって良かったです」。確信して一塁へゆっくりと歩き出し、ドヤ顔でバットを放り投げた。

試合前まで今季1勝9敗で8連敗中だった楽天モバイルパーク。鬼門中の鬼門で2回に2点を先制された。やはり鬼門か。そんな嫌なムードが漂う中だったが、柳田の一振りで試合をひっくり返した。勢いづいた打線は、4、5回にも犠飛で追加点。藤本監督が掲げる「泥臭い1点」を積み重ねた。仙台で連敗ストップとはならなかったが、負けもしなかった。指揮官は「リリーフ陣はよく頑張ってくれた」とうなずいた。

これで9日のオリックス戦は、勝つか引き分けで2位が確定。敗れても、同日のデーゲームで行われる楽天-ロッテで、ロッテが勝利しない限りは2位フィニッシュだ。藤本監督は「2位で行かないとホームで戦えないので」と語気を強め、先発は10勝でチーム勝ち頭の有原に託す予定。右腕は今季オリックス戦で5試合に先発し、1完封を含む3勝2敗、防御率2・11の好成績を残している。

1年前。優勝マジック「1」としながらリーグ最終戦で敗れ、オリックスに逆転優勝をさらわれた。今年は2位をかけて143試合目に挑む。他チームの結果は当てにしない。藤本ホークスは、自力で2位をつかみにいく。【只松憲】

◆パ・リーグのCS争い ソフトバンクが引き分け、2年連続14度目のCS進出を決めた(04~06年のプレーオフを含めると17度目)。残る1枠は明日9日の楽天-ロッテ戦(楽天モバイルパーク)の勝者となり引き分けならロッテが進出する。9日はリーグ最終日。ともにチーム最終戦でCS進出をかける対戦は史上初めて。チーム最終戦に勝ってCS決定なら19年阪神以来6度目、リーグ最終日のCS決定は19年阪神以来4度目。ロッテは勝てばソフトバンクのオリックス戦●で2位の可能性を残すが楽天の2位は消滅した。