そら、真っすぐよ-。阪神岡田彰布監督(65)が23日、日本シリーズの第1戦(28日、京セラドーム大阪)に先発する可能性が高いオリックス山本由伸投手の攻略へ自信をのぞかせた。

今季前人未到の投手4冠を達成した右腕について「そんなええと思てない」とバッサリ。攻略のポイントは「そら真っすぐよ」と明かした。相手エースを初戦で打ち崩し、先手を勝ち取る。

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岡田監督は絶賛の嵐に待ったをかけた。28日の日本シリーズ第1戦の先発が予想されるオリックス山本は今季16勝を挙げるなど、前人未到の投手4冠を手にした。今オフにはポスティングでのメジャー移籍も見込まれる球界最高投手。難敵には間違いないが、指揮官の見立てでは「攻略可能な相手」だった。

「そんなええと思てない。『第1戦に投げるピッチャー』としか思てないよ。何でそんな山本、山本って言うんやろなあ。それが俺は不思議よなあ」

山本が先発した18日のロッテとのCSファイナルステージ初戦では、早打ちを仕掛けてきた相手に初回に3失点。勝ち投手となったが、7回10安打5失点と打ち込まれた。「そんなええピッチャーやったらそんな取られへんやろ? 初回から3点も。何かそら取れる可能性があるいうことやろ?」。そう言うと不敵な笑みを浮かべた。

指揮官は山本の「6敗」にも注目した。「いくつ負けたん? 6つも負けてるやん。大竹2つしか負けてないやん。そう考えたら、違う?」と報道陣に疑問を向け、「最初から山本やから、『はい、打てません』って。そんなんやったら、試合やらんといたらええやん。もう棄権するわ、それやったら。バカやん、そんなん」とまくし立てた。

岡田監督自身が山本と対戦する機会があった場合の攻略法については「そら、、真っすぐやろ、おーん」と即答。「165キロ投げる真っすぐやったら、俺も打てんと思うけどなあ。ピッチャーいうのは真っすぐが一番の武器やねんから。それに合わして打ついうことやろ? 当たり前のことやったらええんやから」と正攻法で勝機を見いだす。

今季は6月13日の交流戦で1度対戦し、8回2安打無失点に抑え込まれた。「普通にやるだけ」と繰り返す指揮官は山本相手にも「そんなん変えへんよ」ときっぱり。6月はチームが今季唯一月間の負け越しを喫した期間でもあり、「あの時はそんなチーム状態もええことないしな、結局は」。山本は日本シリーズで過去3試合に登板したが、いまだ勝利はない。2年連続で沢村賞を受賞した投手とはいえ、付け入る隙は十分にある。【古財稜明】