新人守護神が連覇の使者になる!? 阪神のドラフト2位の四国IL徳島・椎葉剛(つよし)投手(21)が12日、徳島市内のホテルで仮契約交渉を行い、契約金7000万円、年俸1000万円で合意した(金額は推定)。球団からは宮脇編成ディレクター、畑山統括スカウト、渡辺担当スカウトが出席。最速159キロ右腕が今秋の阪神ドラフト指名選手では入団第1号となった。

大阪出身の虎党右腕は会見で「希望は中継ぎとか後ろ」と明言。「任されたところで頑張って、まずは開幕1軍が目標」と地に足をつけながら、目標とするOB藤川球児氏(43)のようなクローザーでの活躍を頭に思い描いている。

「抑えた時の感覚は先発じゃ味わえない。後ろがいいという思いはあります」

近年ではDeNA山崎、広島栗林、巨人大勢がいきなり新人最多の37セーブをマーク。阪神の新人では99年福原の9セーブが最多で、セ・リーグで唯一、ルーキーの2桁セーブがない。新人のセーブ自体、11年榎田が最後で、12年間の空白地帯。ルーキー守護神誕生なら虎では異例だ。

今季の徳島では主にセットアッパーを務め、四国ILの完全Vに貢献した自負もある。「自分もあそこで投げたいと思ってテレビで見ていました」。日本シリーズで胴上げ投手となった岩崎の姿も目に焼き付けた。

その岩崎や湯浅ら先輩たちが来季の抑え候補に挙がるが、負ける気はない。7月ごろから試合で投げ始めたというフォークを強化中。ブルペンで直球と同じ割合で投げ込み「千賀投手ですかね」と目標とする“お化けフォーク”に近づこうとさらに進化中だ。

12月中旬に新入団会見を行い、1月初旬に選手寮「虎風荘」に入寮予定。「2連覇に貢献できるように頑張りたい」。来春キャンプ、剛球で岡田監督にアピールする。【中野椋】

○…担当の阪神渡辺スカウトが椎葉への期待を明かした。「(フォークを)投げ始めたのが今年からという投手。(真っすぐの)球速も上がって、まだまだ伸びると、(将来性も見込んで)早い指名になったと思います」と説明した。来季からは2軍投手コーチとしてグラウンドで指導にあたる。「1年目は体力づくりをしながら、技術も試合で磨いていく感じになると思います。関係性は何も変わらない」と見据えた。

◆椎葉剛(しいば・つよし)2002年(平14)3月18日生まれ、大阪府堺市出身。三原台小1年から高倉台ポニーズで野球を始める。三原台中では富田林ボーイズに所属。島原中央(長崎)では3年春まで捕手だった。社会人のミキハウスに3年間所属後、今季から四国IL徳島へ。主にセットアッパーとしてチームの完全優勝に貢献した。最速159キロの直球に加え、スライダーに自信を持つ。目標の選手は元阪神の藤川球児氏。183センチ、92キロ。右投げ右打ち。

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