日本野球機構(NPB)は21日、23年シーズンの審判員表彰を発表した。

(1)最優秀審判員賞

秋村謙宏(57=25年目)、初受賞

選考理由:投球判定精度が極めて高く、ストライクゾーンが常に安定していた。また経験豊かであり、常に冷静で難しいプレーに対しての決断力が優れ、円滑な試合運びが評価された。

(2)審判員奨励賞

山口義治(43=15年目)

選考理由:シーズンを通して常に安定した仕事ぶりで、判定精度も高く、落ち着いていて、堂々とした態度とスピード感あふれる動き、ゲームコントロール、特に球審時のフットワークは若手の手本となっており、NPB審判員のリーダーとしての資質が感じられた。

(3)ファーム優秀審判員賞

森口壽樹(28=6年目)

選考理由:今シーズン、ファームでのクルーチーフとしてファームリーダーを努め、メンバーをまとめ、円滑な試合運びに努力した。来年以降、1軍審判員を任命するに相応しく成長を感じた。

(4)ファインジャッジ賞

審判員の技術向上を目的に、優れた判定をたたえ、表彰する制度。4人が受賞。

1.原信一朗(44=19年目)、4月8日、阪神-ヤクルト2回戦(甲子園)二塁塁審

4回裏2死一、二塁。打者・木浪(阪神)の打球処理をした三塁手・村上(ヤクルト)への二塁走者・佐藤輝(阪神)の動きに対して、間髪入れずに守備妨害を宣告。走塁妨害と紙一重のプレーに対して勇気ある判定をしたことが評価された。

2.福家英登(43=21年目)、4月28日、オリックス-ロッテ3回戦(京セラドーム大阪)球審

2回裏2死一、二塁。打者・紅林(オリックス)が三振振り逃げで一塁へ向かう際、走路の後半、規則で許されていないフェア地域内を走り、一塁手の送球を受ける守備を妨害した。それを見逃さずに守備妨害を宣告。判定も見事であるが、ジェスチャーと自信に満ちあふれた態度が評価された。

3.山口義治(43=15年目)、6月11日、日本ハム-阪神3回戦(エスコンフィールド北海道)二塁塁審

7回表、無死一塁。打者・大山(阪神)のライトへの大きな飛球が捕球されアウトとなった後、一塁走者・植田(阪神)が二塁の手前から一塁へ帰塁するときに二塁手・ハンソン(日本ハム)と接触して転倒した。帰塁の際の珍しい走塁妨害を慌てずに宣告し、一塁への帰塁を指示し、的確な場内放送をしたことが評価された。

4.山路哲生(44=20年目)、6月11日ソフトバンク-巨人3回戦(ペイペイドーム)球審

7回表、無死。打者・坂本(巨人)への投球がグリップ付近に当たり、フェアテリトリーに転がった。グリップに当たったのか、手に触れたのか判断が困難な場面ではあったが、坂本選手の行動を冷静に見定めて、インプレーの判定をしたことが評価された。