原点回帰の“道産子トレ”で北海道に歓喜をもたらす。日本ハム伊藤大海投手(26)が5日、北海道・北広島市内で2500万円増の年俸1億1000万円で契約更改した。新人から3年連続で規定投球回をクリアしたことを大きく評価された右腕は「夢見てたところ」という金額に一瞬だけ笑顔。すぐに今季の成績や、自身初の開幕投手を務める来季を踏まえて「逆に気が引き締まる」と言った。

責任も自覚も深まった今オフの自主トレは「エスコンでやります」と本拠地のエスコンフィールドを拠点にする。「今年、エスコンフィールドで1勝しかできなかったので、エスコンフィールドで心中するために」というのが理由だ。

北海道・鹿部町出身の右腕にとって、特別なホームながら白星は5月18日西武戦だけ。11試合に先発して1勝7敗、防御率5・10だった。苦手のまま、新シーズンを迎えるわけにはいかない。「いつも、試合前にいられる中のロッカーやウエートルームで(来季の)試合前に『(オフに)ここで俺はこれだけやってきたから大丈夫だ』って思えるように」。だから本拠地に腰を据えることを決めた。

もうひとつの理由は道産子だから。「シンプルに、今までずっと学生時代も寒いところでやってきたので、体の変化がわかりやすい。暖かいところに行っちゃうと、ちょっとごまかしも効きやすくなる。寒いとこで、ちょっと繊細にやりたい」という狙いがある。

来季の目標は「最多勝」。地元北海道の厳しい冬に力を蓄えて「(開幕)1戦目からガンガンいけるようにやっていきたい」と誓った。【木下大輔】

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