DeNA牧秀悟内野手(25)が20日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億1000万円増の2億3000万円でサインした。4年目ではプロ野球史上最高額。過去最高だった08年ダルビッシュ有、16年大谷翔平(ともに日本ハム)の2億円を超えた。プロ1年目からプロ野球史上初の記録を作り続ける「ハマの記録男」が、新たな記録を刻んだ。(金額は推定)

  ◇  ◇  ◇

トナカイに扮(ふん)した牧が、クリスマスより一足先に夢と希望を運んだ。1億1000万円増の年俸2億3000万円でサイン。侍ジャパンでチームメートだったダルビッシュ、大谷の2億円を超え、4年目ではプロ野球史上最高額に達した。

「まさかこんな契約をもらえると思わなかったので、素直にうれしいですし、自信にもなるかなと」

野手では史上初の4年目での2億円超えに目を丸くさせたが、周囲も文句なしの結果を残した。全試合に4番で出場し、打率2割9分3厘、29本塁打、103打点。最多安打、打点王のタイトルを獲得した。さらには史上初の新人から3年連続の30二塁打を達成。同3年連続20本塁打以上は史上6人目、球団初の快挙だった。

原動力は、持ち前の負けず嫌いな性格と不動心。「今年は打点王を取りたいという中で、他の球団の4番打者には負けたくないなっていう気持ちはすごくあったし、毎試合他の人の打点をチェックしたり、絶対に負けられないなという気持ちが1年間あったのが1つの要因かなと思います」と自己分析した。

“野球漬け”の1年だった。3月のWBCでは世界一に貢献。11月のアジアプロ野球チャンピオンシップにもWBCメンバーから唯一出場し、4番で優勝に導いた。「あの大舞台を経験できて、シーズンに入ってもすごくいい緊張感の中でできたので、すごくいい経験をしたなと思います」とかみしめた。

来季からキャプテンに就任する。侍ジャパンではダルビッシュ、大谷のリーダーシップに触れ、DeNAでは4季務めた佐野の雰囲気づくりに感銘を受けた。「佐野さんが作ってくれたいいものは残して、また新しいものを作っていけたら」。偉大な先輩の背中も参考に、「牧流」でチームをリードする。【久保賢吾】

▼牧が1億1000万円増の2億3000万円で契約更改。入団4年目で2億円到達は08年ダルビッシュ(日本ハム=2億円)16年大谷(日本ハム=2億円)に次いで3人目。4年目の年俸では2人を上回る史上最高額だ。野手で2億円到達は96年イチロー(オリックス)など5人の5年目、セ・リーグの選手では19年山崎(DeNA)など7人の5年目が過去の最速だったが、いずれも上回るスピード到達になった。

【一覧】プロ野球12球団の契約更改状況