ソフトバンク王貞治球団会長(83)が5日、西武からFA補強した山川穂高内野手(32)の獲得理由を語った。

ペイペイドーム内で仕事始めを迎え、後藤芳光球団社長兼オーナー代行(60)らと鏡開きに出席。不祥事を起こした山川について公の場で言及するのは初めてで「いろいろと批判はいただきましたけど、野球界で生きていく力を持っている人が、その世界で生きられないような世界を作っちゃいけないと思う。社会的な制裁も受けて本人もかなり反省していることですし、やはり挽回するチャンスを与えてやるべきだと思います」と背中を押した。

山川は昨年5月に強制性交の疑いで書類送検され、8月末に嫌疑不十分で不起訴処分になった。その後は西武から公式戦の出場停止処分を受けながらもFA権を行使。同12月19日にソフトバンク移籍が発表された。一連の事象は世間で物議をかもしたが、戦力面では手薄だった右の大砲の補強に成功。王会長は「うちは左バッターばかり。そこに右のホームラン王を3回も取っている山川くんが入ってくれるというチャンスがあったら、やっぱりそれを手にするのは当然のことだと思う」と、批判覚悟で獲得を決断した理由を明かした。締めには「彼にはいろいろハッパをかけながら頑張ってもらおうと思います」ときっぱり。自身と同じアーチストに大きな期待を寄せた。

3年連続でリーグ優勝を逃し、鏡開きでの王会長の言葉は年々熱を増す。「過去を振り返ることはあまり好きじゃないんですけど、やっぱりこの3年間で失ったものはものすごく大きい。それを取り返すのは今年からの戦い。各人が自分のやるべきことをしっかりやって基本に戻ること」。4年ぶりの覇権奪回に向け「世界の王」が大号令をかけた。【只松憲】

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