大海風スイーパーで開幕から世界最高の投球を披露する。日本ハム伊藤大海投手(26)が2日、沖縄名護キャンプで初めてブルペン入りした。効果的に左足を前に出すため小さなハードルを置いて45球。宝刀スライダーの握りのまま投げ方を変えた「スイーパー風」新球の精度もチェックした。3月29日の開幕ロッテ戦(ZOZOマリン)に向け計画を立て仕上げる“金曜ローテショー”が幕を開けた。

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伊藤がシナリオ通り、キャンプ最初の金曜日にブルペンへ足を踏み入れた。「バランスも良かったし、これからどんどん細かいところを詰めていって実戦につなげていければ。30球ぐらいで終わろうかなと思っていたが、バランス的にもコンディションも良かったので45球投げました」。心地よく15球のおかわりも添え、初回の“上映”を終えた。

ブルペンには小さなハードルを置き、左足で踏み越えるようなイメージで投球を繰り返した。同学年でWBCでともに侍ジャパンで戦ったヤクルト高橋奎の動画を見て参考にした。「あれを超えたという意識だと、キャッチャーの方にまっすぐ(左足が)出ていく感覚が強い。今それが自分の中でハマっていて続けている」と狙いを説明した。

投球の途中、ニヤリとしながら「スイーパーいきます」と捕手に告げ、数球投じた。大谷がWBC決勝でトラウト相手に投げたフィニッシュボールだが、大海風はちょっと違う。「(自分が)スイーパーを投げるとケガするし失敗する。僕のはスライダーと同じ握りで、上に投げれば横に曲がる」。宝刀スライダーの変則形ともいえる新球も試しながら、キャンプ最初のブルペンを締めた。

3月29日開幕戦を見据えながら当然、シーズン通した活躍を目指している。昨季は3年目で初めて2ケタ勝利を逃し「今季は15勝を目指します。今まで10勝止まりなので11を目指してもしょうがないので」。自分で企画した“金曜ローテショー”について建山投手コーチも「金曜日に出力を高めてというのは納得できる。できるだけそうしたい」と承認。2回目以降も狙いを持ち、着実に完成形へと近づけていく。【永野高輔】

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