東京6大学野球リーグの慶大の大分・中津合宿が17日、同市内のダイハツ九州スタジアムで始まった。チームは合宿開始に先立ち、同市内にある福沢諭吉旧居、福沢記念館を見学。中津市の歓迎セレモニーが行われた。福沢諭吉は慶大創設者として知られ、同市は幼少期を過ごしたゆかりの地。選手たちは、全員、詰め襟の学ランで参加した。

建学の精神を新たにした。慶応義塾幼稚舎では『福翁百話』を朗読する授業もある。幼稚舎から通う、プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏(56)の長男、正吾外野手(3年)は「よく覚えています。思い出しました」と、懐かしく振り返った。記念館では1つ1つ熱心に史料を見て「趣深いというか、歴史を感じることができました。あらためて素晴らしい方、尊敬する方だと思いました」と話し、旧居を出る時には、大きな銅像に向かい、1人深々と頭を下げ、尊敬の念を込めた。

慶大グラウンドにも「自我昨古」(じがさっこ)と書かれた垂れ幕が掲げられている。これは福沢諭吉による「建学の精神」を説いた言葉で勇気と使命感を持って、前人未到の新しい分野に挑戦する精神をいう。正吾は「僕にとっては今年はラストイヤー。後悔なく1年を終えたい。挑戦というかやるしかない。春のリーグ戦開幕戦に出場すること。そこでリーグ戦優勝。早大に勝って日本一という目標を達成したいと思います」と力を込めた。

連覇へ向け、いよいよ本格的に合宿がスタートした。「まずは、キャンプができることに感謝したい。こうして受け入れてくださった中津市の方々。また、両親はじめサポートしてくださっている方々に感謝の気持ちを忘れずに、思いきりプレーをしたいと思います」と、合宿の完全燃焼を誓った。

慶大は19日までダイハツ九州スタジアムにて合宿を行う。【保坂淑子】