侍ジャパン1発目の打席で、フリーのインターネット百科事典のウィキペディアに「西川史礁(みしょう)」は存在しなかった。青学大3年の外野手が、一発回答を見せた。

2点リードの5回1死一塁から代走で登場。迎えた6回2死一、二塁。オランダ出身の右腕ファンフルプの初球だった。142キロツーシームを引っ張り、左翼線への適時二塁打とした。西川含め大学生が4選手参加する中、出場一番乗り。無念の欠場となった同じ野手の明大・宗山から「思い切って行けよ」と背中を押され「初球からフルスイングするというのが自分の持ち味」と強烈なファーストインパクトを与えた。

アマチュアとは違う、初めての景色。龍谷大平安の3年間は「正直戻りたくないぐらい、ほんとにしんどい」。それでも、日々のブリッジが背筋を柔軟にさせ、大学時代に励んだ筋トレも功を奏し、飛距離アップにつながった。大学1、2年は思うような結果を出せなかったが、3年春のリーグ戦で打率3割6分4厘で外野手部門でベストナインを初受賞。最高殊勲選手にも選出され、4番としてチームをリーグ優勝に導いた。和歌山・日高町という海も近い場所で生まれ育ち、趣味は海釣り。今年から中堅に挑戦する若侍が、真の侍入りへ向けて、釣果を重ねていく。【栗田尚樹】

◆西川史礁(にしかわ・みしょう) 2003年(平15)3月25日、和歌山県日高川町生まれ。少年時代は川辺ウィンターズ、和歌山日高ボーイズでプレー。龍谷大平安では2年春のセンバツで遊撃手として、8強進出に貢献。青学大では3年春に左翼手のレギュラーを獲得してリーグ優勝に貢献し、最高殊勲選手も獲得。強打が魅力で、大学日本代表の4番も務める。目標の選手はレッドソックス吉田正尚。趣味は海釣り。182センチ、87キロ。右投げ右打ち。

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