中学硬式野球の第30回日本リトルシニア全国選抜大会が、25日から大阪府で開催される。9年連続13度目出場の静岡裾野(関東連盟)は、初戦で尼崎北(兵庫、関西連盟)と対戦。準優勝した2019年以来の決勝進出を果たし、悲願の初優勝を目指す。

昨秋の関東連盟秋季大会4強で全国切符をつかんだ。主将の戸倉悠吾内野手(3年)は「チーム状態はすごくいい。一戦必勝で全国制覇を果たしたい」とチームの思いを代弁した。「1番・三塁」を務めるキャプテンは「どんな時でも元気な声で、みんなを引っ張っていく」と決意を込めた。

攻撃の中心は4番を務める井上哲兵外野手(3年)だ。全国切符をたぐり寄せた昨秋の関東大会では、6試合で打率7割1分4厘、1本塁打を記録。長打力を武器とするスラッガーは「全国でも自分たちの力を最大限に発揮したい」と力を込めた。さらに伝統の堅実な守備力も健在。主戦・大嶽希高(3年)を軸とする6人の投手陣を盛り立てている。

チームは前回大会ベスト8。中学硬式野球日本一を決める昨夏の「ジャイアンツカップ」では、日本代表バッテリーを擁し全国準優勝を果たした。佐藤栄祐監督(51)は「今年は突出した選手がいない分、全員が一丸で練習に取り組み、攻守でやりたい野球を体現してくれている。正直、楽しみ」と期待を込めた。

3月上旬には全国大会出場に合わせ、チームOBでプロ野球楽天の鈴木大地(34=小山町出身)から、防寒のフリースジャケットが贈られた。腕の部分には「大地7」のマーク。憧れの先輩からのプレゼントを身にまとい、選手たちは全国舞台の地に乗り込む。【山口昌久】