DeNA三浦大輔監督(50)が、舞台裏や思いを語る「月刊ハマの番長~シーズン4~」。第1回は開幕直前スペシャルとして、今季への思いとともに、指揮官から見るドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)の魅力、期待などに言及。重ね合わせたのは、牧秀悟内野手(25)の姿だった。【取材・構成=久保賢吾、小早川宗一郎】

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三浦監督は度会の背中に牧の背中を重ねた。監督1年目の21年、開幕スタメンに抜てきし、主将、4番とチームの顔へと成長した。

「隆輝は何か、引きつけるものがあります。牧もそうでした。即戦力という期待値で入ってきても、自分でつかまないことにはポジションは取れない。どんどん自分で階段を上ってきて、今の位置にいるわけですから。そこは2人にどこか通ずるものを感じます。隆輝は1番で使います」

人としての魅力も新キャプテンに重なる。常に笑顔で明るく、ベンチでは声をからして盛り上げる。

「明るい選手はいっぱい見てきましたけど、今までで一番明るい選手だと思います(笑い)。牧もかなり明るかったですけどね。ルーキーは最初は物おじしたりするけど、そういうのもないですから。それも嫌みじゃなくナチュラルにできている。もちろん覚えていかなければいけないこともたくさんあるけど、この明るさ、ポジティブさはチームにプラスになっています」

チーム内における変化とともに、日に日にスタンドのファンの声援が大きくなったことも実感した。

「悩んだりしてる部分はあると思うんですけど、そういう姿は見せないです。常に楽しそうにやってるから、周りも、見てるファンの人たちも楽しませてくれる。勇気をもらえるってそういうことだと思います。そういう選手が多ければ多いほど、もっと愛されて、もっともっと応援されるチームになっていく」

昨年11月の新入団選手記者発表会。会うのはドラフト当日の指名あいさつ以来2度目だったが、度会は三浦監督の印象について「声がイケボで…」と話し、盛り上げた。

「『イケボって何だ? 』ってスタッフに聞きましたもん(笑い)。『イケてるボイス』と教えてもらって。ただ、僕らも若い頃そうだったんだろうと思いますよ。18歳から30代もいれば、スタッフには70代の方もいらっしゃいますけど、何事も受け入れられるチーム。それがDeNAのいいところです」

就任4年目のシーズンは、投手陣の軸だったエース今永、バウアーを欠いた中で開幕を迎える。

「もう、やるしかないですからね。現有戦力でどう戦っていって、どうレベルアップさせていくか。1人で埋める必要はないですし、2人、3人でもいいので作っていけるように。2人の代わりはいないですけど、逆にチャンスと捉えて、今いる選手たちがやってくれればいいと思います」

「横浜進化」のスローガンのもと、異彩を放つ若き才能をチームにうまく融合させながら、胸を張って24年シーズンに臨む。

◆“陽キャ”メモ 牧はチーム内でも有数のおふざけキャラ。昨年WBC優勝後のビールかけでは、ノリノリのダンスで話題になった。変顔も得意で球団公式SNSでも大活躍。本塁打パフォーマンスに「デスターシャ」ポーズを取り入れ、球界に浸透させた。ルーキー度会は昨年11月のファンフェスで国民的アニメ「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー! 」を物おじせずに熱唱し大物ぶりを発揮した。