阪神が新オーダーで接戦を落とし、今季初の3連勝を逃した。

前日に勝率を5割とし初の貯金を狙ったが、再び負け越し1となった。森下翔太外野手(23)を9試合目で初めてスタメンから外し、「3番右翼」前川右京外野手(20)、「5番左翼」シェルドン・ノイジー外野手(29)を初の同時起用。前川は3度、走者を置いた打席で安打を出せず不発に終わった。9日からは今季公式戦初となる本拠地甲子園で広島と激突する。

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西日が差す神宮の虎党は試合後も熱かった。「次、頼むぞ~!」。三塁側から左翼スタンドまで、ヤクルトファンをしのぐほどの大応援団で、この3日間は埋め尽くされた。今季初の3連勝はならずも、前向きなゲキは少なくなかった。

お祭り男の3番森下がスタメンから外れた。平田1軍ヘッドコーチは「違う」と故障ではないと強調。「前川とシェルドンもいいんでね。そりゃ、そういうアレ(ケガなど)はないよ」。好調な前川とノイジーを共存させる作戦だった。

その前川が不発だった。3度、走者を置いて打席に立ったが、Hランプはともらない。1点差に迫った3回2死三塁では二ゴロ。5回2死一、二塁でも二ゴロに倒れ、初対戦のヤクルト右腕ヤフーレを攻略できそうでできなかった。今季初の3番起用に「(心境は)何も変わらない」と言うも快音は響かず。連続試合安打も「3」で止まり「次頑張ります」と前を向いた。

新オーダーで今季初の貯金生活とはならなかったが、打率3割台の前川と5日のヤクルト戦で今季1号を放ったノイジーの同時出場は、プラス効果を生む可能性もある。9回2死に代打で登場した森下は左翼への二塁打。チームトップ7打点も打率1割台と波に乗りきれない男は、ベンチスタートでも集中力を切らすことはなかった。

「平田ヘッドにも言われたんですけど、こういう時にどうモチベーションを保ちながら、集中して練習からやっていくか、意識しながら過ごしていました」とスタメン落ちをエネルギーに変えた。「後から(試合に)いく人の大変さとか、去年も分かりましたけど、今年もあらためて。スタメンで出ているありがたみと、後から出る難しさは感じました」とかみしめた。

岡田監督は、リーグ連覇には個人の成績アップが必要と繰り返してきた。この1敗に、若虎の闘志に火をつける要素がちりばめられている。9日の甲子園“開幕ゲーム”で仕切り直す。【中野椋】

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