今年も鬼門なのか。阪神が首位中日に逆転負けを喫し、引き分けを挟んで今季初の3連敗、借金も今季ワースト3にふくらんだ。

先発の大竹耕太郎投手(28)が5回まで無失点と好投したが6回に暗転。打線も初回に佐藤輝明内野手(25)が挙げた2点にとどまり、阪神はこれでバンテリンドームで通算200敗目(117勝9分け)。苦手な敵地で再び最下位転落危機に陥った。

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中日が来場者にプレゼントしたイベントユニホームで、観客席がピンク色に染まったバンテリンドーム。いつもとは少し異なる雰囲気が漂ったが、阪神にとって、今年も鬼門を感じさせる逆転負けとなった。

平田ヘッドコーチの渋い表情が試合の暗転を物語った。「まあ、3回り目だよね。トップバッターのフォアボールもだけど…」。5回まで散発4安打と好投した先発大竹が、突如6回に乱れた。先頭の田中にストレートの四球を与えると、高橋周から一気に3連打。1点差に迫られ、代打中島が送られたところで降板を命じられた。「よくない点の取られ方をしてしまいました。昨日の試合でみんな投げていたので早い回で交代となってしまい申し訳ないです」。

代わった岡留にも流れは止められない。中島への高めツーシームが死球となり押し出しで同点。続く宇佐見に左前適時打で勝ち越しを許すと、1死満塁から代打村松にストレートの四球を与え再び押し出し。春季キャンプの投手MVP右腕が、桜色のユニホームがゆれる敵地でのみ込まれた。

これが阪神にとって、バンテリンドームでの通算200敗目。リーグ優勝した昨季は7勝4敗1分けと6年ぶりに勝ち越したが、勝率3割6分9厘はセの本拠地別ワースト。12回ドローだった前日12日の初戦を含め、再び鬼門の予感が漂う。

打線も初回に佐藤輝の2点二塁打で先制したが、今季最少タイの4安打で追加点を奪えなかった。開幕14試合の1試合平均は2・43点にとどまり、チーム打率2割1分もリーグ最下位。乗れないトラを象徴する“スミ2”敗戦となった。

前夜の引き分けを挟んで今季初の3連敗。岡田監督はあと1勝で、吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)に並ぶ球団監督歴代2位タイの484勝となるが、4戦連続で足踏みとなった。今季ワースト借金3で再び最下位ヤクルトが0差に迫るテール危機。それでも、立ち止まっているわけにはいかない。首位中日相手に苦手の敵地も払拭して、14日こそスカッと快勝したい。【磯綾乃】

▽阪神岡留(6回無死満塁から登板も失点を防げず)「1人1人抑えようと思っていました。(中島への押し出し死球は)投げ切れなかったです」

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