<中日6-3ヤクルト>◇5日◇ナゴヤドーム

 中日が荒木、井端の1、2番コンビのアベックアーチで、連敗を2で止めた。2-2の3回、井端が左中間に勝ち越し1号ソロを放ち、4回に荒木が追撃の左越え1号2ラン。06年9月10日広島戦(広島)以来のアーチ競演で、初対戦のヤクルト新人加藤を4回5失点KOした。前日は対戦データの乏しい20歳の村中に抑え込まれたが、この日は「初モノ」を返り討ち。オレ竜が再び上昇気流に乗った。

 井端は本能のまま、バットを出した。ヤクルト新人加藤の初球の135キロ。完ぺきにとらえたボールは、125メートル先の左中間スタンドに突き刺さった。2-2の3回に飛び出した勝ち越し1号ソロ。自分でもびっくりする当たりだった。

 井端「ウッズにアドバイスをもらっていた。積極的に何でもいけ、と。初対戦の投手?

 対策は個々に任されていた。球種でしぼるより(タイミングが)合ったらいく、というふうに変えた」。

 荒木が2ランで続く。4回だ。井端とは鉄壁の二遊間を形成するが、この日は1年半ぶりのアーチ競演だ。加藤の内角への初球を左腕をたたんで振り切った。「切れるかな」と思った打球は左翼ポール際に飛び込んだ。昨年の盗塁王であり昨年1本塁打の荒木にとって釈然としない?

 オーバーフェンスとなった。

 荒木「初盗塁より初ホームランが早いなんてありえない。でも、スイングはよくなっている」。

 2本の初球アーチには意味があった。前日に対戦データがほとんどない村中に7回3安打1点に抑えられ「初モノ」への弱さを露呈した。データのない投手をどう攻略すべきか。荒木は、こう説明する。「ボールを見ていると追い込まれる。ストライクは1球目からいこうと反省した。昨日の分もやってやろうとみんな思っていた」。怖いもの知らずのルーキーを、積極打法でたたきつぶした。

 勢いづいた中日は5回にウッズの2号ソロで得点を加え、余裕の継投で逃げ切った。連敗は2でストップ。落合監督は「初対戦の投手?

 どっちかだって言ったろ。その通りになっただろ」とほくそ笑んだ。前日に「初めてのピッチャーにはいいか悪いか、どっちかなんだ。中途半端はない」と話していた。弱点をあっという間に修正し、落合竜のスキがまた埋まった。【村野

 森】