優勝が入団の手みやげだ。日本ハムからドラフト1位指名を受けた東洋大・大野奨太捕手(21=岐阜総合学園)が10月31日、神宮球場で行われた東都大学野球秋季リーグの亜大戦にフル出場し、4連覇に貢献した。試合後、日本ハム山田GM、今成スカウトから指名あいさつを受け、出場を決めた明治神宮大会(15日開幕)での大学日本一を誓っていた。

 まさに二重の喜びが訪れた。優勝を決めた東洋大・大野に待っていたのは、日本ハム山田GMらの指名あいさつだった。優勝報告会が行われた同大の白山キャンパスで、初対面。大野は「まだ指名の実感はないけど、2つの喜びがいっしょに来たので幸せな1日」と笑顔を見せた。

 優勝のかかった亜大戦では有言実行を果たした。ロッテ3位指名の上野投手をリードし、完封劇を演出。試合終了直後、歓喜の輪の中心にいた。監督ら関係者に続き、スタンドから「ハムオ」という愛称でかけ声がかかり、仲間の手で3度、神宮に舞った。

 30日の指名直後、セールスポイントを聞かれ「勝てる捕手」と言った。東洋大では3年春から正捕手で大場(ソフトバンク)ともバッテリーを組み、リーグ戦は負け知らず。今季もリーグV4と勝ち続けた。「全国一になるのが自分に託された仕事」。頭には明治神宮大会での連続日本一しかない。

 日本ハム側は梨田監督が「一緒に頑張ろう!!」と記した直筆メッセージなどをプレゼント。山田GMは「いい顔つきをしている。頭も良さそうですごく楽しみ。1、2年かかってもいいから将来はレギュラーでやれる選手」とあらためて期待を口にした。入団交渉は明治神宮大会以降に本格化させる。

 岐阜出身で幼少時は中日ファンだったというが、梨田監督の著書を「今日買います」と笑った。プロ入団前にアマ最後の大きなステージが待つ。「次が本当に大事。去年に引き続き負けられない。日本一でプロ?

 そういうものを持って行きたいと思う」と力強かった。【村上秀明】