日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が春季キャンプで「別メニュー」になることが28日、分かった。3月のWBCへ向け、他選手と比べ調整ペースが早いことを考慮。トレーナー陣が段階に応じて練習メニューを組み直し、総仕上げをアシストする。この日、キャンプ地の沖縄・名護入りしてブルペン投球を行うなど本気モードのダルビッシュにも、願ってもないプランになる。

 東京ドームでの1次ラウンドは3月5日開幕。そのため、ダルビッシュは例年より約1カ月、早めた調整を行っている。中垣チーフトレーナーは「全体的には普通のメニュー(のメンバー)に入るが、その中でアレンジを加えていく。実戦も近いので」と説明。他選手とは体の仕上がりに「ズレ」があるため、その点を微調整した練習を課す予定でいる。

 サムライジャパンの先発3本柱の1人とされる本人も、自覚は十分だ。プロ入り5度目のキャンプだが、自身最速となる4日前のこの日、キャンプ地入り。即ブルペン入りし、変化球を交えて65球を投げ込んだ。米球場に近いとされる赤土を入れ、傾斜も低くしたマウンドを使用。あまりの角度のなさに「あんなマウンドはないでしょ」と苦笑しながらも「硬さは気にならない。変化球もいいと思いますよ」と手応え十分だった。

 キャンプ地のハード面でも、援護態勢が整えられている。「暗い」と不評だった屋根付きのブルペンは、照明の取り付け位置が低くされ、数も例年の約2倍の30基が設置された。少しでも万全の調整を、という球団側の配慮。世界連覇の出発点になる施設に「めんそーれ」とばかりに迎え入れられ、本場米国も注目するダルビッシュのWBCが始まった。【高山通史】

 [2009年1月29日9時7分

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