スローペースで調整中の日本ハム二岡智宏内野手(32)が第2クール初日の6日、ギアを1段階上げた。フリー打撃では、74スイングで5連発を含む13本の柵越えと今キャンプ最多をマーク。首脳陣からスロー調整指令が出ている中でも、少しずつエンジンに火が入ってきた。

 これまでとは明らかに違った。バットを強振せずに、芯でとらえることに重点をおいてきたのが第1クール。だがこの日は、スイングに力強さがみなぎった。高く上がった打球は次々とオーバーフェンス。68スイング目からは圧巻の5連発で、スコアボード上段を直撃するビッグアーチや右中間方向へのアーチも含まれていた。「風じゃないですか。ギアチェンジ?

 まだサイドブレーキがかかってますよ」。冗談交じりに振り返ったが、快晴が続く名護の空のように表情はすがすがしかった。

 右ふくらはぎに不安を抱えており、瞬発的な動きには制限がかけられている。ダッシュ系のトレーニングは回避。「もうちょっとかかりますね」と本人も悔しさは隠せないが、“本気”を出したときの存在感は見せつけた。

 休日前夜の4日夜、金子誠らとともに内野手の食事会に参加した。チームメートと、初めてゆっくりと話す機会。はしが進むにつれ、お互いの間にあった見えない壁も取り払われていった。

 梨田監督が「抑えるようには言った。ゲームはまだまだ先」と話すように、練習のフル参加や実戦出場は当分先の話。それでも徐々に、ファイターズというキャンパスに二岡色がにじんでいる。【本間翼】

 [2009年2月7日11時25分

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