ソフトバンクのドラフト1位、巽真悟投手(22=近大)が17日から始まる紅白戦(アイビースタジアム)で「開幕投手」を務めることが10日、分かった。高山投手コーチが先発起用を明言し、先発ローテーション入りを狙う即戦力右腕に真っさらなマウンドが用意された。この日のブルペン投球では同コーチから今キャンプ初めて技術指導を受け、セットポジションの時間短縮を求められた。

 ファンが待っていたルーキー巽のデビューは17日の紅白戦になった。しかも高山コーチは「先発でいく予定です」と明言し、新生ホークス初実戦で「開幕投手」を任されることになった。球団名がソフトバンクに変更後、ルーキーがキャンプ最初の紅白戦に先発登板するのは初のこと。ベテラン投手でも緊張する場面を託した首脳陣の決定に、期待の大きさがうかがえた。

 この日の巽はキャンプ7度目となるブルペン投球で、115球の調整。「今日は70~80球かもっと少なくしようと思ったけど、納得できない部分もあったので」と予定をオーバー。終了後に高山コーチからセットポジションでの静止時間を短縮するよう指示された。「止まりすぎるとボークになると審判の方がおっしゃってたそうです。高山さんからは間延びするとリズムが出ないと言われました」。巽は左足のつま先でリズムを取るように2度地面を踏むことから投球動作を始めていたが、その左足の踏むリズムを2回から1回に減らすなど、対策に乗り出した。

 当初、高山コーチは「実戦に入って打者と対戦した際に問題点が出るまで触らない(指導しない)」と話していた。あっさり前言撤回となったのは実戦突入まで修正時間が短いこともある。もっとも巽本人は紅白戦が迫り、やる気たっぷり。「一塁けん制は高校の時に結構練習したし、得意な方です」。近大3年時では関西学生リーグの盗塁記録を更新した関学大荻野貴司(現トヨタ自動車)を1試合で3度刺したこともある。投球を含め、自分の技術がプロの打者相手にどれだけ通用するか気持ちは高まる一方だ。11日にはケース打撃に登板する。

 キャンプ2度目の休日だった9日は近大の先輩にあたる甲藤、大隣と地鶏に舌鼓を打ち、気分転換。チームにとけ込み始めた即戦力右腕が間もなく真の姿を披露する。【押谷謙爾】

 [2009年2月11日11時40分

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