<広島10-5巨人>◇13日◇マツダスタジアム

 巨人が広島に完敗した。昨年8月15日以来の先発となった木佐貫洋投手(29)が3回途中3失点とKOされ、早めの登板を強いられた中継ぎ陣も打ち込まれた。8日、北海道・稚内でのイースタン・リーグ日本ハム戦に先発した右腕は、この日午前に広島入り。準備期間も、環境面でも酷だった。球威が落ちた2回にフィリップス、小窪と連続ソロ本塁打を浴びた。3回も二塁打2本を打たれ万事休した。

 「先発木佐貫」は、奇襲でも何でもなかった。チームは今月、先発投手を5人で回してきた。ゴンザレス、東野、内海、グライシンガー、高橋尚の順。順番通りならこの日は内海が先発だった。しかし今週から6連戦が3週続く。今後の日程を見れば、この6連戦中のどこか1試合に、どうしても「くさび」の先発投手をかませなくてはならない理由があった。

 優勝争いのライバル、中日との直接対決が9戦残っている。25日(火)から敵地3連戦。9月21日(月)から本拠地3連戦。1週後の月曜からは敵地で3連戦。この9試合でVの行方が決まる可能性が高い。

 投手陣で最も中日に強いのはゴンザレスだ。今や先発の軸となった助っ人は、後半戦に入り週の頭に先発している。中日戦今季3勝無敗で防御率1・64。木佐貫先発は3連覇を狙う上で打った布石。ローテの微調整で、ゴンザレスを中日戦の頭にぶつけることが可能となった。

 再調整が濃厚となった木佐貫は試合後「何もないです」とひと言。原監督は「責められない。役割として、今日投入した」と静かに語った。連勝は6で止まったが、ゴールを見据えたチーム戦略を取らなくてはならない時期に入ったのも事実。振り返ってみれば、8月13日は重い意味を持ちそうだ。14日にも腰痛が癒えた豊田が復帰する。態勢を整えロングスパートをかける。【宮下敬至】

 [2009年8月14日8時40分

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