<オリックス7-2日本ハム>◇20日◇京セラドーム大阪

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)がオリックス戦で、腰の張りのため今季最短5回で降板した。立ち上がりから制球が乱れ、2年ぶり押し出しを含むプロワースト7四球。続投志願したが、梨田監督の判断もあり、マウンドを降りた。昨季に並ぶ自身シーズン最多タイ16勝目はお預け。27日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)で予定していた次回登板を、回避する可能性が出てきた。

 5回を除き、1回から毎回の7四球。同監督にベンチ裏へ呼ばれ、強制降板が決まった。「自分では投げたいと言ったんですけれど、チームに迷惑をかけたらいけないので」と最終的に受け入れた。

 体の異変が、すべてを狂わせた。腰の左側に強い張りがあり、直球、変化球のいずれも制球が定まらない。2回2死二塁で岡田から3連続四球、押し出しで先制点を献上。同点にしてもらった直後の4回にも先頭打者下山に四球を与え、勝ち越し点を許す伏線になった。同監督も「どこかで修正できる」と思ったが兆しは、見えなかった。

 コンディション不良による2軍調整を経て復帰して2戦目で、またも小休止。リーグ連覇した07年北京五輪アジア予選に始まり08年の同本大会、今季のWBCと国際大会の連続で、そしてレギュラーシーズンとフル稼働。その勤続疲労の影響ともとれる兆候が、ここにきて表れてきた。WBCから突入した今季はこの日まで8完投を含め、すべて7回以上を投げ切ってきた。そのひずみともいえる、代償だった。今季は、慢性的なこの腰の左側の張りに苦悩してきた。ダルビッシュも「力が入らなかった」と現実を受け入れた。

 プロ入り5年目でワースト7四球に、2年ぶりの押し出し&5回降板。梨田監督は「次の登板とか考えるとね…。でも次もどうなるか分からないけれど」と次回登板回避の可能性を示唆した。【高山通史】

 [2009年9月21日9時25分

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