日本ハム中田翔内野手(20)が、「ゆるキャラ」に変身してレギュラー奪取を狙う。沖縄・名護キャンプの2日、フリー打撃で38スイング中5本の柵越え。アーチ連発とはならず、首脳陣からは不安の声も上がったが、全身の力を抜いた新打撃フォームに、本人は手応えを口にした。

 笑顔は「ひこにゃん」のようなかわいさがあり、日に焼けた肌は「せんとくん」をほうふつとさせる。その正体は…、「ゆるキャラ」を目指す、中田だ。「今までは力が入っていて(スイングが)ブレていた。インパクトの瞬間だけ強く振れればいい。1、2年目は飛ばすことだけで満足していたけど、今は確実性を上げていきたいと思っています」。プロ通算38打席で15三振。2年間の反省を生かし、今季は“脱力系スイング”で勝負する。先月の合同自主トレではロッテ西岡の助言を参考に、右手のバットの握りを、手のひらではなく指にかける“ソフトタッチ”に変えた。

 今キャンプ初めてとなる屋外でのフリー打撃は、38スイングで5本の柵越え。ライナー性の打球は外野手の定位置付近で弾むことが多かった。梨田監督は「思ったよりボールが飛んでない」。福良ヘッド兼打撃コーチも「さみしいな」と心配したが、中田は「試合でこのまま打てれば、(本塁打を打つ)自信はあります」と実戦で首脳陣の不安を一掃する考えでいる。

 この日初めて左翼に入ったシートノックも無難にこなし、前方の打球をダイビングキャッチで捕球してスタンドから拍手も浴びた。「あれは判断が遅れただけというか…、必死で捕りに行った結果です」。打撃も守備も、中田は充実のキャンプを送っている。【本間翼】

 [2010年2月3日8時22分

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