西武ドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が2月26日の宮崎・南郷キャンプ終了後に、2軍で再調整する可能性が出てきた。渡辺久信監督(44)が15日、雄星のオープン戦1軍帯同の方針を再検討する考えを明かした。当初は「試合を見るのも勉強」とオープン戦期間中も1軍で英才教育するプランだったが、このまま状態が上がらない場合は、埼玉・所沢の2軍で調整させることも視野に入れた。

 2月26日の宮崎・南郷キャンプ終了後、雄星の2軍調整が現実味を帯びてきた。オフのこの日、渡辺監督が雄星のオープン戦期間の調整について、方針転換の可能性に言及した。「現状のままならオープン戦フル帯同を考え直す?

 そりゃそうでしょ。全然あるよ」。本来の力を発揮できずに苦しんでいるルーキーに奮起を促す意味も込めた。ただ、このまま状態が上向かなければ、開幕1軍はおろか、開幕前の実戦デビューも厳しくなる。

 渡辺監督は1月17日、英才教育プランを明かしていた。13試合を戦うオープン戦について「試合を見るのも勉強」と、雄星の1軍フル帯同を明言。投げない時も1軍レベルの試合を見て学び、成長するための糧にさせるつもりでいた。1月の新人合同自主トレでは、順調な調整を続けていたからこその言葉だった。

 しかし、キャンプで状況が変わった。固まらないフォームに悩んで、球速も上がらない。渡辺監督が「やっとスタートラインに立った」と及第点を与えたのが、キャンプ8度目のブルペンとなった12日だった。ようやくエンジンがかかりだした時に、「高校時代は2日に1回ペースでしか投げていなかったのに、プロでは焦って毎日のように投げていた。高校時代と違うことをやっていたんだな」とペースダウン。16日も遠投だけでブルペン入りの予定はなく、目先の実戦を目指す調整法をやめた。

 26日にキャンプを打ち上げる。雄星は3月2日に東京で新人研修があるため、帰京する。同6日には花巻東の高校卒業式に出席。その間は、埼玉・所沢で調整するが、状態が劇的に好転しない場合には、そのまま2軍にとどまる可能性は高い。遠征続きのオープン戦に帯同すると練習量が限られるため、本拠地で腰を落ち着けて練習に集中できるメリットもある。まずはブルペン投球で首脳陣を納得させられる投球をして初めて、実戦デビューの道は開ける。【亀山泰宏】

 [2010年2月16日8時43分

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