日本ハム中田翔内野手(20)が、思わぬ“アレルギー”を告白した。沖縄・名護でのキャンプを終えたチームは1日、北海道へ戻った。3日からは本拠地札幌ドームで阪神、ヤクルトと続くオープン戦4試合が控えるが、開幕1軍への正念場と位置づける試合を前にし、中田が「ドーム球場は嫌い」とカミングアウトした。ただ本拠地を始め、多くが屋根付き球場の現在、苦手などと言ってはいられない。1軍定着へ、完全克服を誓った。

 屈強な体を持つ中田が、思わぬ苦手を口にした。1日、沖縄から帰道。1カ月間の春季キャンプで黒く精悍(せいかん)になった顔つきが、思わずゆがんだ。「ドーム球場は嫌いです。見えづらい。打席だとボールが小さく見える。2軍だとドームでやらないから…」と漏らした。

 経験不足が最大の原因だ。ドーム球場は太陽光が入らず、屋根で視界を遮られるため閉塞(へいそく)感がある。昨年、本塁打、打点の2冠に輝いたイースタン・リーグは屋外球場が主。天候に左右されない便利なスタジアムも、プロ2年間で1軍出場が22試合しかない中田にとっては、「勝手の違う」異空間になってしまう。過去2年はいずれも沖縄から札幌に戻るこの時期のオープン戦で調子を崩し、最終的に開幕1軍を逃している。精神的に弱気になっている状態だ。

 だが“ぼやいて”ばかりはいられない。本拠地札幌ドームをはじめ、1軍公式戦はほぼ屋内球場で開催される。「練習して慣れていかないといけないですね。特守?

 これからもやっていきたい」。春季キャンプから続いている外野特守も継続して行いながら、苦手を克服していく。

 3日からは阪神、ヤクルトと続く本拠地4連戦が控える。「この4試合が勝負。それでダメだったら、(9日からの)大阪遠征に行けないやろ」。中田はこの4戦が正念場と位置づけている。梨田監督からは「2度あることは3度あるっていうけど、今年は(2軍降格が)ないことを期待したい」と言葉を受けた。苦手克服の「特効薬」は結果しかない。“好き嫌い”をなくし、開幕1軍切符をつかみとる。【本間翼】

 [2010年3月2日8時55分

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