<ソフトバンク4-4横浜>◇5日◇福岡ヤフードーム

 「200K」が見えた!

 ソフトバンク和田毅投手(29)がオープン戦2度目の先発で4回1安打無失点と快投を見せた。全4三振を奪った直球は本人も手応え十分。今季の目標に掲げる200奪三振が現実味を帯びてきた。

 狙った「K」は逃さない。初回1死、カウント2-2から横浜山崎への6球目。和田の脳裏には「三振」の2文字しかなかった。左腕をしならせ、外角高めへ141キロ直球。バットに空を切らせ、白球はミットに吸い込まれた。「狙って三振がとれた」。開幕へ向け手応え十分の1球だった。

 2回で自信は確信になった。1死後のスレッジを外角低め直球で見逃し三振。昨季27発の大砲も微動だにできなかった。好調時のバロメーターは「外の真っすぐで空振りや見逃しがとれること」。球の出どころが分かりにくい独特のフォームができているからこそ、球速以上に打ちづらい。

 前回2月26日広島戦の最速138キロから、この日は141キロへアップした。「140キロも超えたし、自分らしいボールが何球かあった」。今季からマスターしたカーブとの球速差は最大26キロ。緩急を身につけたことで直球の威力も増した。秋山監督は「球が走っていた。低めに伸びる球があったのは成果じゃないかな」と評価。観戦した王会長も「安心してみていられたよ」と目を細めた。

 自身初の「200K」に向けても自信を深めた。オープン戦2試合の計6イニングで8奪三振。昨季も5月末に左ひじ炎症で離脱するまで奪三振数トップを快走しており、新たに緩急を手に入れた和田なら自己最多195奪三振(03年)を上回るのは不可能ではない。「まだボールが高いところもあったし、その辺は修正したい」と開幕への伸びしろも十分。早大時代の称号「ドクターK」が、再び和田の代名詞になる日は近い。【太田尚樹】

 [2010年3月6日12時27分

 紙面から]ソーシャルブックマーク