阪神城島健司捕手(33)が、11日に抑え捕手として「勝利の方程式」を予行演習する。巨人戦(皇子山)が雨天中止となった10日、甲子園室内練習場で汗を流した。11日オリックス戦(京セラドーム)は先発マスクをかぶる矢野燿大捕手(41)の後を受けて、途中出場が濃厚。志願していた藤川、メッセンジャーらリリーフ陣と組んで、3・26開幕までに1試合通しての準備を万全にする。

 城島が、シーズン開幕に向けてすきのない準備を整える。11日オリックス戦について「(自分の出番)は全然聞いていない」と前置きした上で、オープン戦期間中に志願しているリリーフ捕手としての途中出場について、口を開いた。

 城島

 メッセンジャーも(藤川)球児もその場面(試合終盤)というものがある。そういう場面で1回は受けていれば(開幕後も)大丈夫だろうと思う。

 城島はことあるごとに「プロか、プロじゃないか」と口にする。自分の仕事に正面から向き合って、しっかりと準備を整える。城島スタイルに照らし合わせれば、オープン戦で中継ぎ陣のボールを受けないことは流儀に反する。「もちろん『勝利の方程式』だけじゃなくて、渡辺も江草も筒井も、もっと中継ぎ陣を受けたい」。他の捕手との兼ね合いに配慮した上で、投手陣とできる限り時間を共有する覚悟。そのためには先発マスクにこだわらない。

 本番に近ければ、近いほどいい。「勝利の方程式」は小差のリードもしくは同点の場面で投入される。失敗が許されない必勝リレーは常に緊迫感を伴う。城島は「特に競ったゲームなら投げる時の雰囲気も出るだろうし、力も入ってくる。お客さんの歓声が(投手の)調整を早めるというのもある」。岡田オリックスとの「関西ダービー」が白熱すれば、オープン戦の枠を超えた大きな経験値になる。そのためにも緊張感漂うクロスゲームを期待した。

 この日はリーグ3連覇中の巨人との初激突が雨で流れたが「今日はいいバス遠足だったということで」と城島節で笑った。オープン戦残り9試合で先発、中継ぎ、抑えとすべての局面を体験する考え。その第一歩として11日、勝利の儀式のデモンストレーションを敢行する。【益田一弘】

 [2010年3月11日12時7分

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