<西武7-3日本ハム>◇16日◇西武ドーム

 西武涌井秀章投手(23)は勝ち投手と思えないほど、不満ばかりが口をついて出た。「最後まで任されないといけない試合。8回も点の取られ方がよくない」。フォークがすっぽ抜けた暴投で3点目を献上。十分な援護を受けながら、完投できなかった8回7安打3失点では、納得いくはずもなかった。

 最低気温は4度。試合後には雪が降り、4月とは思えない寒さもあって制球が定まらない。「試合中も昨年と何が違うかずっと考えて、3回ぐらいでおなかに力が入ってないことに気づいた」と修正。下腹部に力を入れ、悪いなりにも何とかしのいだ。

 前回9日のロッテ戦は3回6失点でKOされるなど、1点台を目指す防御率が4点台。昨季の沢村賞右腕は、立て直しに必死だった。ブルペンに2度も入ったのは異例。登板2日前には、普段は直球しか投げないが、カーブを10球ほど交ぜた。思うように制球できない課題を解消するため、原点でもある直球とカーブの精度を高めようと、調整法まで変えた。

 ただ修正しようとしても、空回りするのが現状。3月27日以来の3勝目にも「簡単に四球を出してしまう。まだまだ」と反省した。潮崎投手コーチは「よくないね。変化球の出し入れができてない。去年の状態を10とするなら、今は5に毛が生えたくらい」と指摘する。そんな状態でも、チームに勝ちをつけるのがエース。選手会長中島が抹消となった節目の一戦で、苦しみながらも4連勝へと導いた。【亀山泰宏】

 [2010年4月17日9時48分

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