<中日3-2ヤクルト>◇20日◇ナゴヤドーム

 故障で出遅れていたプロ11年目の中日朝倉健太投手(29)が、今季初先発で初勝利を挙げた。6回0/3を7安打2失点の力投で、チームの連敗を3で止めた。地元ファンの前で完全復活を証明し、「今年に懸ける思いがすごく強くて、でもケガをしてしまったので、悔しい思いで(試合の)テレビを見ていた。こうやって投げられる日を楽しみに待っていました」と、声をはずませた。

 昨年10月のCS第2ステージ。巨人との対戦を前に、右肩痛で先発の前日に登板回避を申し出て、1人名古屋に戻った。秋季キャンプは完全別メニュー。「CSで肩が痛くて、自分の中ではやりきれない思いだった…」。選手会のゴルフコンペにもチームでただ1人参加せず、裏方に徹した。

 オフの間はリハビリに全力を注いだが、春季キャンプで腰を痛め、別メニューを強いられた。だが、あきらめなかった。「故障して、正直焦っていましたけど、ファームで結果を残せばチャンスはあるだろうと思っていた」。そんな強い気持ちを、この日のマウンドで爆発させた。

 落合監督も「よく投げたと思えばいいんじゃないか」と話す、合格点の出来。苦労を重ねた分だけ、重みのある今季初白星だったに違いない。【福岡吉央】

 [2010年4月21日11時53分

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