不協和音が、さらに大きくなるような凡戦だった。低迷脱出の糸口が見えない日本ハムのこの日の主役は、バディ・カーライル投手（３２）だ。４回６失点。押し出し四球あり、ボークでの失点ありと、４戦目の登板でも初白星どころか、明るい兆しさえ見えなかった。マウンド上では、阪神時代から評判の気の短さを見せての独り相撲の連発。「制球どうのこうのじゃなく、打たれたのが、一番の原因」と居直った。

　心身ともに制御不能に陥った。２回無死一、二塁のピンチを背負い、草野に右前適時打を献上。中継プレーのカットに入った田中の本塁送球が、捕手・中嶋のはるか頭上を越える送球失策も重なり、いきなり２点を失った。明らかにイラだった表情、しぐさを見せ、まずはこの回に３失点。３回に２失点、４回に１失点と歯止めが利かず序盤でワンサイドゲームになった。

　阪神時代から欠点とされていた、キレやすい性格を露呈し、またも移籍後初白星はならず。ベテランの中嶋を今季初スタメンで起用してコンビを組ませ、打開を図ったが、効果は見えなかった。梨田監督は「中嶋を使って、何とかいい形にねと思っていたけれど…」と、またも光明見えない助っ人右腕に、ため息。カーライルは降板後にベンチで目頭を押さえ、指揮官が慰めたが、自分を取り戻すには、時すでに遅かった。

　これで開幕から１０カード連続で初戦黒星。梨田監督は「もう数を数えなくても分かるようになってきた」と、寂しい苦笑を浮かべた。借金１２へと逆戻りし、両リーグ最速２０敗へ、王手をかけた。追い打ちをかけるような、不穏な空気が漂う、今季初の２ケタ失点大敗。桜が咲き、底冷えする杜（もり）の都で、前夜の快勝の後味が、一掃されたかのような黒星。昨季パ覇者の開花宣言は、そう近くはなさそうだ。【高山通史】

　［2010年4月24日11時49分

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