<広島1-0日本ハム>◇15日◇マツダスタジアム

 白星が遠い。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)の快投が、また無情な結果に終わった。自己記録25イニングを更新する28イニング連続無失点を達成。この日も初回からスコアボードに8個の「0」を刻んだが、9回を託した谷元が広島打線につかまり無情のサヨナラ負け。チームの今季最長連勝が「5」でストップした。悲劇のエースは「仕方ない。切り替えるしかない」と気丈に前を向いた。

 すごみが、また際だった。前回8日楽天戦は岩隈と投げ合い、ともに9回無失点で譲らず降板。この日のマウンドでは、早いカウントで直球狙いの戦略に見えた相手打線を逆利用。「真っすぐを狙ってきていたのでボールを動かした」。手元で微妙に変化させた。しかも故意にコースを甘くし、打ち気を誘うなど大胆かつ巧妙だった。また西武涌井らに負けじと、3回の今季初打席では前田健の速球をとらえて中前打を放った。

 ここ2登板が150球超だった疲労を考慮し、100球を降板メドに設定されていた。「無理をすると(今後の)体のこともある」と自制し、99球でマウンドを降りた。防御率1・50で、登板9戦でまだ4勝。「1点でも2点でも援護してあげれば…」。梨田監督の嘆きがせめてもの救いだった。【高山通史】

 [2010年5月16日8時41分

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