中日山本昌投手(45)が22日、名古屋市内のホテルで自身のトークショーに出演し、118人のファンを前にサザンオールスターズの「チャコの海岸物語」など3曲を熱唱した。2軍スタートとなる春季キャンプでは、若手教育に乗り出す構え。グラウンドでは投球術を、オフは歌いながら?

 210勝魂をたたき込む。

 自慢の美声が高級ホテルに響き渡った。予定よりも30分以上早く会場に現れたベテラン左腕は、もうマイクを握っていた。歩きながらサザンオールスターズの「チャコの海岸物語」を歌い上げると、ファンとハイタッチ。壇上に上がると、その後も雅夢の「愛はかげろう」、沢田研二の「勝手にしやがれ」と、計3曲を熱唱した。

 「今日は風邪ひいて喉の調子が悪かったんだよな。どうだったかな。けど、3曲も歌っちゃったよ。いつもは2曲なんだけど」。

 約3時間30分のロングイベントを終えた左腕はヘトヘト。それでも最初に出てきた言葉は、カラオケの反省だった。山本昌と言えば、チーム1、2位を争うほどの美声の持ち主。今回のイベント「でらうまトークライブ」では毎年、その歌声を披露するなどこだわりはすごい。

 今年はそんな歌声が沖縄キャンプで披露されるかもしれない。ただし、歌を聴けるのは中日の若手選手限定だ。ベテラン左腕はこれまで2軍キャンプで、オフに若手選手を集めてカラオケ会を開くことが恒例だった。「歌を聴けば、その選手の性格がわかる」と、野球とは違った側面を知りながらコミュニケーションを深めてきた。もちろん、歌うだけでなく、打ち解けた雰囲気の中で、プロの心得を伝授するのが狙いだ。

 昨年はマイペース調整を返上して1軍スタートだったこともあり、恒例行事は中止していた。だが、今年は2軍スタートが決まっており、若手に円熟の美声と野球理論を伝える環境は整っている。

 「どうだろうね。歌を歌うためにキャンプに行ってるワケじゃないからね。どうだろ。まあ、でもあるかもね」。

 沖縄・読谷で、異色の野球教室が開かれるか。

 [2011年1月23日10時42分

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