中継ぎ確保と統一球で新人王ゲットだ!

 広島中田廉投手(20)がプロ3年目の「新人王獲得」という野望を掲げた。昨季初の1軍を経験し、プロ初勝利も挙げた。先発でも4試合に登板したが、自分の適性を考え中継ぎ転向を志願。今季から公式戦使用球が統一されることも味方に、大いなる飛躍を目指す。

 プロ3年目を迎え、ひとまわり体が大きくなった中田は、夢もでっかい。

 「新人王をとりたい。オフからそれを思ってやってきました。1軍でやってみて、手応えもありましたから」。

 06年の梵以来、球団8人目のタイトル獲得をマジで狙っている。1年目は体調を崩し2軍でも1試合登板に終わったが、昨季は7月に1軍に初昇格。4試合に先発し、9月29日の横浜戦では2番手でプロ初勝利も挙げた。

 昨秋のキャンプで左ふともも肉離れを起こし、今キャンプは2軍スタート。それでも焦りはない。

 「1軍が(日南に)合流してからアピールするチャンスはありますから」。

 でっかい夢を実現するため、自らの働き場所を「中継ぎ」に求めた。

 「僕は長いイニングよりも1回とかを思い切り全力で投げたいタイプ。先発と違ってしんどい面もあるけど、最終的には抑えをやりたいと思っていますから」。

 昨季13試合に登板したが、今季は「最低でもその倍は投げたい」と鼻息があらい。中継ぎで力を発揮しようと、オフはウエートトレの量を増やして一気にパワーを発揮できる体を作ってきた。1軍最速は146キロだが、常時140キロ後半を出し、最速は150キロを目指している。

 「ストレートをもっと磨きたい。コンスタントに140キロ後半は出せる自信があります」。

 今季から公式戦で使用される「統一試合球」も中田を後押しする。

 「僕には合っている。指にかかりやすいし、フォークを投げるときには(指の)抜けがいいんです」。

 年末は母校広陵高で体を動かし、年始は実家のある大阪でエース前田健とも自主トレした。実家そばの神社で精神修養のため宮司の話を正座して聴いた。すべては3年目の飛躍のため。150キロ右腕が、新人王獲得に勝負をかける。【高垣誠】

 [2011年1月24日10時57分

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