最強6番で強竜打線完成だ!

 中日の新外国人ジョエル・グスマン外野手(26=オリオールズ2A)が12日、シート打撃で右方向への軽打を披露。超人的なパワーだけに頼らない柔軟性をアピールした。巨人スコアラーも警戒。森野、和田、ブランコに続く6番にはまれば、課題の貧打が一気に解消される。

 グスマンが、並の大砲ではないところをみせた。シート打撃の第1打席。開幕ローテ入りを目指す山井との対戦で、意外な一面を披露。スライダーと直球を外角に徹底して集められ、2ボール2ストライクと追い込まれたが、慌てない。山井の勝負球、外角低めの直球に反応。逆らわずきれいに右前にはじき返した。

 前日11日には左翼線に推定飛距離140メートルの場外弾をかっ飛ばした。そんな豪快なイメージとは正反対の、おっつけての軽打。身長196センチ、体重113キロの巨漢。大砲にありがちな、パワフルなプルヒッターというイメージではくくれない、柔軟性があった。

 「左方向ばかりに本塁打を打とうなんて、1度も思ったことがない。とにかく球をうまく捕らえること、コンパクトに打つように心がけているよ」

 この1打が、ライバル巨人に強い印象を与えた。視察に訪れた三沢スコアラーは「力もあるし、追い込まれてもボール球に手を出すタイプではない。今のところ穴は見当たらないし、やりにくい」と絶賛。「6番に入ったら嫌ですよね。重量打線になる」と言った。

 守備位置の兼ね合いはあるが、6番にグスマンが座れば打線は見違えるように厚みを増す。3番森野、4番和田、そして5番ブランコに続く形。昨季は強力投手陣を軸にセ・リーグを制したが、打線はリーグ5位の539得点に終わった。

 6番不在はここ数年の悩みの種だ。落合監督は昨季、キーになる打順として09年に1番で112試合、2番で32試合に出場した井端の起用を試みた。状況に応じた打撃ができ、走者を返すことができ、チャンスをつくったり広げたりできることで、白羽の矢を立てた。井端が目の故障で長期離脱したことなどで頓挫した経緯がある。

 グスマンは「今はいろんな投手の投球を考えながら、やっている。まだ投手のデキが打者より早い状況だから」と平然と話した。最強の6番誕生へ-。期待を背負う大砲が、沖縄で日に日に評価を上げている。【八反誠】

 [2011年2月13日10時16分

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