宮崎に勇気を与える!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が18日、宮崎市立大塚中学校で講演会を行った。春季キャンプも終盤に入り疲労はピークに近い。だが、昨夏の口蹄(こうてい)疫に始まり、霧島連山・新燃岳の噴火、鳥インフルエンザと次々と降りかかる災難に悩む宮崎の力となりたいとの思いから、球団の要請を快諾。生徒に今の思いを語りかけた。

 「今年のキャンプの初日、火山の爆発で(眠りから)目が覚めた。大変になっているけれども、絶対に悪いことばかりは続かない」。

 約700人の生徒を前に小久保の口調は熱かった。キャンプ地で毎年、1カ月近くを過ごす宮崎に勇気を与えたかった。思春期の中学生にとって、宮崎で起こる災難は心に深く残る出来事でもある。それでも、希望はなくさないでほしい。「皆さんに一番に伝えたいことは、まず目標を持ってください。目標をきっちり立てないと何事も前へは進めません。目標を立てても、その通りにいかないことの方が多い。ただ、それに向かって取り組む姿勢とか過程が大事」。

 今季はFAでカブレラが加入。いくらタカの顔とはいえ、一塁のポジション争いを強いられる。だが、どんな逆境にも負けるつもりはない。生徒に送った熱いメッセージは、自らに向けた言葉でもあった。講演後、自分の目標を語った。

 「自分の目標とは全試合出場。健康第一という思いは変わらない」。

 全試合出場という目標をはっきりと口にしたのは、今年に入って初。そのために何をすべきかを考え、まさにキャンプで実践している。自身は泥まみれになってノックを受け、カブレラとの一塁争いに真っ向勝負する日々。39歳の生きざまを見てほしい。戦いに勝つことを生徒に誓い、宮崎にエールをおくったタカの主将。19日からの最終クールで、いよいよ実戦モードを高めていく。

 [2011年2月19日12時13分

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