<巨人4-3阪神>◇4日◇東京ドーム

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)のお目覚めは本物だ。日本一の予感を漂わせたクリーンアップ3連発から24時間後。2日連発の2ランを東京ドームの右翼席に突き刺した。昨季47発の助っ人がアーチ量産態勢に入れば、巨人との空中戦にも負けることはない!

 相手を震え上がらせるフルスイングが戻ってきた。ブラゼルが、初回の先制点を1から3に拡大した。2死二塁。金刃の高めに抜けたストレートを逃さない。自慢のパワーで打ち抜き、右翼席にたたき込んだ。

 東京ドームの左翼を黄色く染めたファンの大歓声を浴びて足早にベースを一周。ベンチ前では浅井と両拳を腰にグッと引きつけるお得意ポーズで喜んだ。

 ブラゼル

 何とかヒットを出して、もう1点と思っていた。初回にいい形になってよかったです。

 2試合連発となる2号2ラン。前日3日に飛び出した「クリーンアップ3連発」の勢いをそのままに、巨人の出ばなをくじいた。

 もう腰を折り曲げて、ボールにバットを当てにいく姿はない。6回1死一塁の3打席目。西村を相手に真っ向勝負でスイング。6球連続のつり球で攻められたが、積極果敢に打ちにいった。ファウルでしのいでチャンスを待つ。2ストライクに追い込まれると、バットのグリップを余らせて対応。結果は長野の好守に阻まれて中飛だったが帰りの通路では不振脱出の手応えを口にした。

 ブラゼル

 野球をしていると毎日、状態が変わると思う。自分としてはいいスイングができていると思うので続けたい。とにかくやっていることを積み重ねないといけない。

 チームはサヨナラ負けして、ブラゼルの2戦連発も空砲となった。飛ばない統一球でも打撃戦が展開されるバッターズパーク(打者有利の球場)東京ドーム。初回の3得点で逃げ切れるほど甘くはないが、それはブラゼルも承知の上だ。

 ブラゼル

 巨人とのゲームというのは、特に東京ドームでは何点リードがあっても、どうなるかわからない。今日は負けてしまったが、明日は点をとっていきたい。

 巨人が反撃の意欲をなくすまで、パワフルスイングを連発する。【益田一弘】