<ロッテ10-1広島>◇11日◇QVCマリン

 広島浮上の起爆剤は赤松真人外野手(28)だ。広島は渡辺俊に惑わされ、大敗した。9回に1点を奪うのが精いっぱいで、右打者の攻撃力不足を露呈。左第8肋骨(ろっこつ)疲労骨折のため離脱している赤松がウエスタン阪神戦(マツダ)で2安打を放つなど好調で、15日楽天戦(マツダ)からの1軍復帰が濃厚になった。

 大型連敗が止まっても貧打ぶりはまったく解消されていなかった。前日10日西武戦(西武ドーム)では牧田に苦戦したが、この日も下手投げの渡辺俊を打てない。8回まで散発2安打に抑えられて、お手上げ。指揮官も苦渋の表情だった。

 野村監督

 (球に)コンタクトできる打者を使ったけど機能しなかった。だれか穴を空けてくれる人がいないとね。

 右打者の不振も打線の不調に影響を及ぼす。「サブマリン2連戦」で右打者が放った安打は2本。広瀬や赤松を故障で欠き、右打ちの外国人外野手の補強を目指しているように、いまや泣きどころの1つになった。

 苦境を打破すべく、赤松の1軍復帰が秒読みだ。疲労骨折で開幕直後の4月17日に戦線離脱。この日は2軍阪神戦の1回に安打後、二盗に成功した。6回には140キロ後半の速球を投げ込むザラテの剛球を強くはじき返し、ライナーで右前に運ぶ。8回の守備では中前打で本塁を狙った二塁走者を送球で刺すなど、攻守で不安を感じさせない。

 6月7日の2軍オリックス戦で実戦復帰してから5試合で14打数7安打と好調だ。この日も「自分の思ったようにバットが出た。いつ声が掛かってもいい」と胸を張れば、山崎2軍監督も「ブランクを感じさせない。いつでもOKだと思う」と話す。1軍首脳陣の間でも赤松の早期昇格を支持する声が出ており、週明けの本隊合流、15日楽天戦からの戦列復帰が現実的だ。

 下手投げの軟投派相手だと打撃の間合いやタイミング、ミートポイントが狂うケースが多い。5月26日に牧田と対戦後、極度の貧打で4戦連続完封負け。10連敗につながった。二の舞いを避けるためにもサブマリンの影響を受けていない赤松の復帰が最善策になる。