<阪神2-1日本ハム>◇15日◇甲子園
この強さ、本物や!
阪神が難攻不落の右腕日本ハム・ダルビッシュを打ち負かした。ヒーローは絶好調マートン。同点の7回、右前に決勝打、3回には中前打で出塁し、ダルビッシュの連続イニング無失点を46で止めるホームも踏んだ。4位に浮上した阪神は、3位巨人にも0・5差。あれ?
Aクラスもすぐやんか。よっしゃ、いけーっ!
うなりを上げ、世界一クラスの149キロが外角ギリギリに突っ走る。阪神マット・マートン外野手(29)は歯を食いしばり、あらん限りの力でボールをたたいた。一、二塁間を抜いた。右翼稲葉の懸命なホーム返球が、スライディングする二塁走者柴田にはじき飛ばされる。1-1の7回2死一、二塁、1ストライク。難攻不落のダルビッシュを、ついに攻略した瞬間だった。
マートン
シンプルにバットの芯でとらえようと思った。真っすぐもスライダーもA++の投手だから、打てる球を打とうと。難しい試合。ラッキーなことに抜けてくれて良かったよ。
44イニング連続無失点中。前回対戦した1日は9回8奪三振の4安打無失点と、完璧に封じ込まれていた。いわば不沈艦との戦い。虎はがむしゃらだった。
試合前のフリー打撃から変化をつけた。今季は開幕から投球間18・44メートルより1メートルほど前から打撃投手が投球しているが、この日はさらに靴2足分、40センチほど前からの投球。和田打撃コーチは「おまじないみたいなモノ」と説明。前夜先発は軟投派の武田勝だっただけに、ダルビッシュ対策に余念がなかった。試合での合言葉は好球必打。「好球必打、全部いくぐらいで」とは和田コーチ。首脳陣の期待にナインが応えた。
初回に2安打、2回に1安打。ジャブをかまし、まずは3回だ。先頭マートンが左中間にライナーを放ち、中堅糸井がはじく間に二塁進塁。2番平野が犠打で送り、2死三塁から4番新井の打席でダルビッシュが暴投した。連続イニング無失点を46回で止め、流れは変わった。最後は再びマートンが決め、土をつけた。
赤毛の助っ人は前回対戦で4打数無安打2三振。「僕はクレメンスらいろいろな投手と対戦してきたけど、今夜に関しては今まで対戦した右投手で一番だった」。サイヤング賞7度の怪腕を例に出すほど驚いたのはウソではない。この日の練習前。メジャーも含めて過去対戦した中で最も素晴らしい投手は?
メジャーリーガーの名前は出さず、1人の投手を即答した。
マートン
ダルビッシュだ。メジャーの選手よりもね。それも去年じゃなく、今年のダルビッシュ。150キロを超えるスピードであれだけボールを動かし、コーナーを突くのはスゴい。
世界一クラスと本当に認める男を打ち崩した。これほど大きな勝利はない。ここ6試合で5勝1敗。2連勝で4位浮上し3位巨人に0・5差まで迫った。
真弓監督
昨日の試合と今日はかなりインパクトがある。本当にやっと勢いが出てきた。昨日からずっと興奮しっぱなしだ。
指揮官の言葉が、すべてを物語っていた。【佐井陽介】



