阪神、日本ハムなどに所属した新庄剛志氏(39)の父英敏(ひでとし)氏が5日午前9時32分、食道がんのため死去していたことが8日、分かった。70歳だった。福岡市内で造園業を営んでいた英敏氏は1年半前からがんを患い、7度の入退院を繰り返した。文子夫人は「1度は完治して医者から仕事も、たばこもいいと言われていた。最後は歩けず、目も開けられなかったが、苦しんだ様子はなかった」と話した。

 新庄氏が小学3年から野球を始めたのは英敏氏の影響だった。中学2年で「長丘ファイターズ」に所属して全国大会のメンバー15人からもれて悔し涙を流したとき、チームプレーの大切さを教え込まれ、平手打ちを食らわされた。西日本短大付高進学も父親の推薦。英敏氏は「最初(長女真由美さん)が女の子で、剛志が生まれたときからプロ野球選手にするつもりだった」というのが口癖。阪神時代もキャンプ、公式戦など甲子園に顔を見せる「名物パパ」だった。

 仕事先のインドネシア・バリ島で訃報を聞いた新庄氏は「最愛の人。いろいろ迷惑をかけて親不孝ばかりでごめん。ありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです」と神妙に語ったという。帰国の途に就き、そのまま自宅に直行する。

 通夜は9日午後6時、葬儀・告別式は10日午前11時から福岡市中央区警固3の1の7、福岡典礼会館で。喪主は妻文子(ふみこ)さん。