通算2000安打を達成したソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が地元和歌山市から表彰されることが25日、分かった。同市は07年に「スポーツ特別栄誉賞」を贈っているが、今オフに名誉ある新しい賞を新設して偉業をたたえる。小久保はこの日、地元テレビ局を回ってゲスト出演。祝福ムードに包まれた。

 和歌山の宝だ。苦難の末名球会入りを決めた小久保を、地元和歌山市が表彰する。同市はすでに07年に「スポーツ特別栄誉賞」を贈っている。この賞は毎年オフに学童野球「小久保杯」を開催する小久保を表彰するために作られた賞で、同市のスポーツ関係では最高の賞とされている。現在、受賞者は北京五輪レスリング男子60キロで銅メダルの湯本健一(27)と2人だけだ。

 同市総務室政策推進部秘書課は「以前からすごく和歌山に功績がある方。スポーツ特別栄誉賞より上位の名誉市民や文化賞、新たな賞の創設も検討しています」と話した。何らかの形で今オフに表彰する予定という。名誉市民には松下電器(現パナソニック)創設者の松下幸之助氏など5人が表彰されているが、86年以降受賞者はいない。文化賞は音楽や絵画などの分野。“スポーツ偉人賞”など、小久保のための新たな賞が創設されるのが濃厚だ。

 大橋建一和歌山市長(66)はこの日、自身のブログで「おめでとう!

 小久保選手」と題し、これまでの道のりをくわしく紹介。「郷土の後輩を常に温かく見守ってくれているプロ中のプロである。8度の手術を受けながらの偉業達成、おめでとう!

 ご苦労さま」と祝福。地元の熱い気持ちを表している。

 達成から一夜明け、福岡ヤフードームには日本ハム稲葉や青学大の後輩ロッテ井口、西武大崎などから花が届けられた。2000安打達成グッズはTシャツ(3000円)など完売が続出。限定50本の直筆サインバット(9万円)もすでに40本売れた。「追加できる商品は発注しましたが、10日後にしか来ないんです」と球団関係者はうれしい悲鳴。フィーバーはしばらく続きそうだ。【石橋隆雄】