<楽天10-6ソフトバンク>◇11日◇Kスタ宮城

 ソフトバンクは投打のぎくしゃく関係で敗れた。岩崎翔投手(23)がまさかの1回5失点KO。それでも打線が苦手のダックワースから5点を奪って反撃した。継投で勝機を探っていた5-6の7回に千賀滉大投手(20)が致命的な3点を失い、力尽きた。正念場の8月中盤に2カード連続の負け越し。9・5ゲーム差と楽天の背中がまた遠くなった。

 6連戦の最後は4時間を超えて黒星をつかまされた。いや、自らつかんだ。秋山監督は脇目も振らずバスに乗り込んだ。「24球、7人で5点はなかなかないだろう。次はないだろう」。言い残したのは先発岩崎への失望感だった。

 岩崎は1回に5安打で5失点。先頭の岡島から4連打で始まり、松井の犠牲フライで5点目が入った2アウト時で24球。ここでブルペンの嘉弥真に準備を命じた。先発転向5試合目も白星を手放した岩崎は「野手の方にも、中継ぎの方にも迷惑をかけたので申し訳ないです」。序盤でゲームプランは大きく崩れた。

 2回の嘉弥真から勝機を探る継投に入った。打線は過去5度対戦し4連敗していたダックワースを攻略。2回に江川のソロと今宮、内川の連続適時打で3点を返し、3回にラヘアの2ランで途中降板に追いやった。1点差に迫り、江尻、森福が無失点でバトンをつなぐ執念をみせた。

 しかし7回に2度目のまさかが起きた。2死無走者で千賀が5番手で登板し、ジョーンズとマギーを厳しく攻めに行った末に連続で四球を与えた。暴投で二、三塁とすると、長打2本を浴びて致命的な3点を失った。1死も取れずに降板したセットアッパーは「ちゃんと投げきらないと…」と言い訳をしなかった。

 投打がかみ合わない典型的な敗戦。課題は投打ともにある。今季3度目の2ケタ失点と最多タイ14残塁。2打点した内川が言う。「勝たなきゃいけない。勝っていても負けていても同じ気持ちでやらないと。もうひと踏ん張りしないと」。正念場の8月にCS圏の3位西武と2ゲーム差。これ以上の後退は許されない。【押谷謙爾】