<コナミ日本シリーズ2013:楽天3-0巨人>◇第7戦◇3日◇Kスタ宮城

 楽天則本昂大投手(22)が日本一へたすきをつないだ。3点リードの7回から2番手で登板。2回を2安打無失点に抑え、エース田中にバトンタッチ。第5戦に2番手として5回79球を投げ、中2日でリリーフ登板したが、疲れを感じさせない投球だった。表彰選手には選ばれなかったが、球場からは「則本コール」がわき起こった。日本一の瞬間を振り返り、「やった!

 という感じです」と笑顔を見せた。

 気力でしのいだ。シリーズ中、先発、中継ぎとフル回転した。「終わりが見えてるから、いけるんだと思います」と話していた通り、力を振り絞った。今シリーズ3度目の登板は、田中と並び、チーム最多登板だった。それも、自己管理があったからこそできた。シリーズ中、サプリメントを多く摂取。肩や腱(けん)の回復に効果的な成分であるコラーゲンを体に取り込んだ。1日3度、欠かさなかった。星野監督から口酸っぱく言われるコンディションの維持に努めた。

 ルーキーで1年間通して活躍。投げる度に成長し、体重は4キロ増加した。フォームや直球の威力に力強さが増した。今シリーズはまさに獅子奮迅の活躍。疲れについて「今はないです。これから楽しんできます!」と話し、祝勝会に向かった。新人右腕は間違いなく日本一の立役者だった。【斎藤庸裕】