広島から国内フリーエージェント(FA)宣言した大竹寛投手(30)が25日、広島市のマツダスタジアムで巨人への移籍を表明した。この日、獲得に乗り出していたソフトバンクと楽天に断りの連絡を入れ、松田元オーナーを訪れて伝えた。埼玉県出身の右腕は地元の関東地区でのプレーを希望。背番号は広島時代と同じ17。一方、広島のエース前田健は大竹補強の王者巨人を警戒した。

 巨人入団を表明した大竹は、マツダスタジアムを訪れ、広島松田オーナーに決断を報告した。「今回、ジャイアンツさんにお世話になることを決めました。どの球団も条件面、環境面、サポート面で高い評価をしていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです」と胸中を話した。

 巨人に決めた理由について「家族に近い関東というところが決め手になりました」と明かした。悩み抜いた末に広島からFA宣言した。ソフトバンク、楽天、巨人と交渉し、地元・埼玉に近い巨人入団が決定的となっていた。前日24日の夜、最終的に決断。この日、ソフトバンクと楽天に断りを入れ、巨人側にも連絡した。広島を退団することには「何がつらいかといえば、広島を出るということ。12年間、僕を育ててくれたカープ、オーナーをはじめ首脳陣、仲間、何よりファンには感謝の言葉しかない」と明かした。

 右肩痛を克服し、2年連続で2桁勝利。常勝を義務づけられたチームの一員となるが、「今回話をさせていただいた4球団は、どの球団も優勝の可能性がある。野球選手としてそこ(重圧のかかる環境)でやっていかないと」と決意を語った。