新たな登録名で2年目のマウンドに立つ。西武相内誠投手(19)が27日、埼玉・所沢市内で契約更改交渉に臨み、現状維持の700万円(金額は推定)でサインした。同時に来季の登録名を“誠”の1文字に変更することを明かした。

 実は、入団前から「誠」という登録名に憧れていた。「自分の名前が好きで。覚えてもらいやすいというのもあります」と理由は単純明快だった。入団直後に球団に申し出た時は却下されたが、今回は本人の熱意が伝わったのか、了承された。鈴木球団本部長は「(入団時は)まだ早いんじゃないか。今年1年は我慢しろと言った」と振り返った。

 心機一転の思いを胸に秘める。千葉国際高時代の昨年12月、ドラフト指名後に道交法違反容疑で摘発された。高校時代は「房総のダルビッシュ」の異名を持ち、球団側から渡辺前監督が現役時代につけていた背番号「41」を用意されたが、「71」に変更された。曲折を経て、同期から2カ月以上遅れた今年3月10日に入団した。

 あれから1年。今季はファームで6試合に登板した。「人間的にも技術的にも成長した1年。ランニングもついていけるようになった。生活も当たり前のことを社会人としてできるようになった」と自信を得た。来季プロ初勝利、そして1軍初昇格を目指すため、「誠」としてスタートする。

 「自分の持ち味の制球力を磨いて、変化球の精度をもっと上げていきたい」と課題は確認済み。今オフには、オーストラリアのウインターリーグで武者修行する。すべては1軍のマウンドで輝くため-。新選組のような熱き血で、背番号71の「MAKOTO」がニューウエーブを巻き起こす。【栗田尚樹】