エースとタッグだ!

 ソフトバンク内川聖一外野手(31)が1日、真冬の北海道での異色トレを明かした。今月中旬から恵庭市で、日本女子短距離界のエース福島千里(25)が所属する北海道ハイテクACの施設を使い短期合宿を敢行する。走攻守につながる走力アップがテーマで、福島との合同自主トレを最終調整中だ。

 北海道での冬季トレも、タッグを組む競技も異例だった。内川が陸上部の門をたたく。「道場」はあの福島のいるハイテクAC。「走ることがしっかりできないと何事もだめだと思う。基本的なことを学んだことがないので」。五輪2大会連続出場。女子短距離界のエースが鍛錬を積む虎の穴で、走りに特化した短期合宿を行うと明かした。

 内川と福島が栄養面のサポートを受けるサプリメント大手ブランド「ザバス」の仲介によってコラボが実現。各スポーツ界トップ選手の交流会で面識はあったが、本格的に話をするのは初めて。内川は「いつもと違う刺激をもらうことは大切ですから」と早くもモチベーションを高める。

 期間は今月中旬から4日間程度。北海道恵庭市にある全天候型のハイテクACの最新施設でコーチ指導を受ける。福島本人との「合体」も最終の調整段階に入っている。

 6年連続打率3割でも、内川の探究心は止まらない。秋季キャンプでは詰まった打球でも安打になる確率を高めようとバットを改良。さらに、足元にも目を向けた。打者は打った直後から走者になる。内野ゴロを安打に、単打を長打にする走りのヒントを求める。守備でも打球へのアプローチに走る力は欠かせない。

 今年38試合あった指名打者は外国人選手がひしめき、来季は外野専念が有力視される。目標のフルイニング出場に向けて、足元のレベルアップは外せないテーマ。短距離走のエキスを注入し、内川が進化を図る。【押谷謙爾】

 ◆福島千里(ふくしま・ちさと)1988年(昭63)6月27日、北海道幕別町生まれ。帯広南商高3年の高校総体は100メートル2位、200メートル3位。08年北京五輪で日本女子56年ぶりに100メートル出場(1次予選敗退)。12年ロンドン五輪は100メートル、200メートルとも予選敗退。100メートル(11秒21)、200メートル(22秒89)の日本記録を保持。家族は両親と兄、妹。165センチ、52キロ。