えっ優勝は巨人!?
いやいや、若虎の頑張りで阪神です。阪神掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)が19日、千葉市内のイベントに参加した。トークショーでは、戦力のそろう巨人を優勝に予想…。ただし、若手戦力はGより虎がそろうと分析。若虎たちの成長が、V予想を覆すカギと叱咤(しった)激励のメッセージを送った。
衝撃的な言葉が飛び出した。トークショーで現場復帰に話が移ると、掛布DCはペナントレースの優勝予想を口にした。
「戦力を見ると優勝は巨人ですよ」
立ち見客も出た会場が驚きの声で包まれる。地元千葉、巨人ファンも多い関東のイベントならではリップサービス?
いや、続けた言葉に真意があった。
「巨人の若い力より阪神の若い力のが勝っている。引っ張っていく選手が出てきたら、打倒巨人もできるでしょう」
1月に入り、鳴尾浜の強化指定選手の合同自主トレを2度視察。室内練習場で約1時間“掛布チルドレン”が打ち込む様子に目を光らせた。「サバイバルで勝ち残っていくという気持ちでやってきたんだろうなという選手が見えた」。沖縄・宜野座キャンプ参加へ燃える若手の仕上がり具合に、満足そうに話した。
昨秋キャンプでは新井良、今成や2軍生活が長い森田、伊藤隼、中谷らに熱心な指導を行った。3週間だったが、掛布DCは選手たちの変化を感じていた。首脳陣が指導できない「12月、1月が本当の勝負」と位置づけ、この2カ月間にどれだけ練習してくるのかと楽しみにしていた。
「落ち着いて自分のやれることをやる。自分以上のことをやろうとしないことが大切」
成長を感じながらも、不安材料はある。秋季キャンプではいいところを伸ばす方法をとってきた。しかし、2月1日からの春季キャンプでは、そうはいかない。3月28日の開幕に向けて、戦力をふるいにかけなければならない。「結果が出ない、エラーとかも悪いところも見る。そこで精神的に焦りが出てくる」。だからこそ、今できることを、とアドバイスを送った。
ミスタータイガースの願いは、新たな生え抜きスターの誕生だ。
「若手選手の活躍はベテランのいい刺激になる。プラスアルファの補強。新しい選手を入れるより一番の補強だから」
出てこい若虎、出てこいGキラー。掛布DCのV予想を覆す活躍を待っている。【宮崎えり子】