<ソフトバンク6-3広島>◇20日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク本多雄一内野手(29)が「2014

 日本生命セ・パ交流戦」開幕となる広島戦で、史上28人目の通算300盗塁を達成した。5回に二盗を決め、無安打での追加点を呼んだ。セ・リーグ首位の広島に13安打6点で快勝し、連敗を3で止めた。6年ぶりの交流戦初戦白星で、交流戦連覇へ向け好発進した。

 本多らしくトップスピードのまま左足から滑り込み二塁を奪った。通算300個目の盗塁は5回。先頭で四球を選ぶと、続く今宮の3球目に決めた。4度けん制されても関係なし。「ほっとしました。まさかお立ち台とは思わなかった」。花束を手に声援に応えた。

 今宮の二ゴロで三進、内川の犠飛で生還。無安打で奪った3点目に秋山監督も「ああいう攻撃をしないと」と褒めた。

 本多は「ルーキー時代はガムシャラでしたが、状況判断や考え方が成長した。自分の走りがよければというのがある」。その走りを支えているのがスパイクだ。革製の6本歯を使用。キャンプで底がウレタン製のスパイクを試しながら、オープン戦から本来の革底に戻した。「厚底よりも革の方が地面に足が近くてフィットする」。使うほど足の形になじみ、力が伝わりやすいという革製は10、11年の2年連続盗塁王時にも愛用していた。

 ここ2年、持病の首痛に悩まされ盗塁数も34個、22個と激減。そこでオフの12月にジムで体全体を鍛え直した。アンダーシャツもスライディングパンツも昨年より1サイズ大きくなった。元気な体が、本多が一番大切にする「スタートの勇気」を支えている。

 05年大学・社会人ドラフト5巡目で入団。2年目から二塁のレギュラーを守り続けている。996試合目での節目に「何が起こるか分からない世界で積み重ねてこれた。試合に出られた結果」と胸を張った。

 本多が出塁するとスタンドから「走れ!

 走れ!

 本多」コールが起きる。「走ってやろうという気持ちになる。ファンと僕対投手になる瞬間ですね」。今季はここまで43試合で17盗塁。年間57個ペースとタイトルホルダー時代の輝きを取り戻している。13安打6得点の快勝で、連敗は3でストップ。交流戦連覇へ、切り込み隊長がけん引する。【石橋隆雄】

 ▼通算300盗塁=本多(ソフトバンク)

 20日の広島1回戦(ヤフオクドーム)の5回に二盗を決めて達成。プロ野球28人目。初盗塁は06年8月4日のロッテ14回戦(千葉マリン)。