<ソフトバンク4-11ヤクルト>◇5月31日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク中田賢一投手(32)が、ぼうぜんとした表情でベンチへ戻った。2回途中でまさかの10失点KO。なすすべなく打ち込まれ、好調のヤクルト打線にのみ込まれた。

 初回、2番上田から5連打された。4番バレンティンには144キロの直球を軽々と左翼席に運ばれる17号3ランを浴びた。「飛んでいってしまうところに投げちゃった」と悔やんだ。2回も炎上は止まらず、6安打1四球。山田に10点目となる適時打を浴びたところで交代を告げられた。秋山監督は「2回で終わったな。球はいいんだけどね。配球もあるんじゃないか。バレンティンのところとか」。バッテリーを組み続ける鶴岡も、4回の守りから交代させられた。

 中田の10失点はワーストタイ。07年4月22日、相手はヤクルトだった。1回2/3で交代を告げられたが、プロ入り後、2番目に早い降板。プロ最短KOは、昨年8月27日での1回1/3。相手はこれまたヤクルト。通算12勝7敗と勝ち越してはいるが、嫌な記憶だけがよみがえった。

 5月29日まで3戦連続延長戦で疲弊している中継ぎ陣を休ませるためにも「1イニングでも多く投げて、そこ(完投)を目指したい」と誓っていた。皮肉にも序盤で大量失点。勝ちパターンのリリーフ陣は休むことができた。

 「申し訳ないという気持ちしかない」。開幕から5連勝も、その後、5月は5戦未勝利で3敗目。チームも交流戦に入って先発で白星を挙げたのは、初戦のスタンリッジだけ。中田だけでなく先発陣が正念場を迎えている。【石橋隆雄】