球団史上初のCS制覇で9年ぶり日本シリーズ進出を決めた阪神和田豊監督(52)から、自信があふれ出た。巨人に敵地で4連勝を収めてから一夜明けた19日、ナインらとともに関西へ戻った。25日開幕の日本シリーズの相手は今日20日に決まるが、今すぐにでも試合がしたい心境を明かした。23日のドラフト会議でも抽選のくじ引き役を託された。

 時の人だ。巨人を圧倒した、あの阪神の和田監督だぞ。羽田空港では修学旅行生と搭乗が重なった。ゲートでは高校生もザワザワ…。到着した大阪空港では若い女性コンビにサインを求められた。

 静かに空路で東京入りした5日前とは状況が一変。ポストシーズン6戦負けなしでもう怖いものはない、とばかりに和田監督は「今、選手は負ける気がしないと思う。明日にでも、やりたいぐらいだよ」と気持ちがはやった。

 敵地でセ・リーグの絶対王者に4連勝した。普段は控えめな指揮官が自信満々になるほど、手応えだらけの4日間。前夜は東京都内の宿舎で選手らと祝杯を挙げた。その後は「1人酒や」と、自室で美酒を味わった。25日に開幕する日本シリーズは相手が未定だが、1、2戦目は本拠地甲子園。和田監督は「東京ドームでやれたような野球はできないだろうから。ファーストステージのような守り勝つ野球になると思う。選手たちも相手がハッキリすると、グッと気持ちが入ってくるだろうからね」と準備に思いを向けた。

 向かうところ敵なしの指揮官は、23日ドラフト会議のクジ引き役も任された。中村勝広GM(65)が「風が吹いているからな」と指名。前日18日に1位候補として一本化した早大・有原航平投手(4年=広陵)は競合必至。12年には4球団競合の藤浪を引き当てた左手に、運命を委ねる。

 関西へ戻り、激戦の疲れを少しだけ癒やした。今日20日も若手数人だけが汗を流す「積極的休養」で、再始動は明日21日から。29年ぶりの日本一ロードを連戦連勝で突き進む。【近間康隆】